夏の暑さ、冬の寒さに加えて、雨の日は自転車に乗ることを億劫にさせる。身体や衣服が濡れて不快なだけでなく、道路がスリップし易くなり危険だ。だから、雨の日は自宅かカフェでやり過ごすのが一番。ただ、それでも出かける時は、ジーン・ケリーが雨に唄うように楽しくライドしたい。そこでまずに足元の装備を考てみよう。路面からの跳ね上がりで、靴が雨に濡れるのをなんとかしたいわけだ。
フラット・シューズの防水
フラット・ペダルなら四の五の言わずにレイン・シューズ、またの名を長靴を履けば良い。とは言うものの、実は筆者は長靴を持っていない。雨の日以外は無用であり、靴箱に収まりにくい長物だからだ。その代わりに通常の靴全体を覆うシューズ・カバーを利用している。これは安価で多くの製品があり、どれが良いかまでは分からない。筆者も土砂降りの日に街の靴屋で買ったに過ぎない。
ビンディング・シューズの防水
一方、ビンディング・ペダルであれば、靴底のビンディングが露出するシューズ・カバーが必要になる。筆者はRaphaのPro Team Rain Overshoesを使っている。現行製品ならPro Team Overshoesだろうか。通常のOvershoesが厚手のネオプレーン素材であるのに対して、こちらは薄手のソフトシェル素材で着脱も簡単だ。ただし、ネオプレーン素材のほうが保温性があるので冬場に適している。
シューズ・カバーとして、さらに強力なのがVeloToze(ヴェロトーゼ)のトール・カバー。これはエアロ効果のためにゴム素材の密着感、圧迫感が半端なく、ロゴが目立つのも難点。だが、防水効果は極めて優れている。ちなみに、他のカバーのように靴を履いた状態で着脱するのは間違い。足首にカバーを引き上げてから靴を履き、カバーを引き下ろして靴を覆う。
インナー・ソックスの防水
このようなシューズ・カバーでも、完全な防水にはならない。ビンディング周辺は閉じていないので、そこから雨水が染み入るからだ。こうなると自転車用のシューズは通気性が高いので、靴下まで濡れてしまう。そこで登山用の防水ソックスを履いておくのも一手だろう。もっとも、靴の中は濡れているし、足の汗は外部に逃げない。必ずしも快適とは言い難いのが辛いところ。
備えあれば憂いなしだが、備えなければどうなるか。降雪後の晴天に喜んで出かけたところ、雪解けの水溜りで靴がびしょ濡れになったことがある。気温も低いので、足が痺れ凍傷になりかねない。慌ててコンビニに駆け込み、足をタオルで拭いて温める。そしてレジ袋をもらって裸足に履き、その上から靴下と靴を履く。通気性ゼロだが、水気と寒気を遮断できる。急いで温泉に向かったのは言うまでもない。