普段使っているサイクル・コンピュータ、GarminのEdge 820Jを持参し、アムステルダムで使おうとしたら、アレ?っとなった。地図のページを開くと、すっきり何もない。ただ、GPSは正常に動作しているようで、アムステルダムとの文字は表示される。つまり、海外の詳細な地図データを持っていないわけだ。地図のない地図という仮想虚無空間を走るのは悪くはないが、高尚過ぎる。
そこで、草の根地図サービスのOpen Street Mapを利用して、お望みの地域の地図データをGarminデバイスにインストールしよう。以下はMacでの操作手順で、まず、地図データをダウンロードする。
- Free maps for Garmin brand GPS devicesサイトを開く。
- マップ・タイプはGeneric Routable(new style)を選ぶ。
- ポップアップ・メニューから国を選ぶ。
- Download map now!をクリックする。
- ファイル・リストからosm_generic_new_macosx.zipをクリック。
EuropeメニューからNetherlands(オランダ)を選んだ場合は、「OSM generic routable new(NLD_04-08-2017).gmap」といった名前のフォルダが現れる。
次にダウンロードした地図データをMacにインストールする。このためにはGarmin BaseCampに付属するMapMangerを利用する。
- Garmin BaseCampをダウンロードし、インストールする。
- Garmin MapMangerを起動する。
- ファイル・メニューから「地図をインストール…」を選ぶ。
- 地図データ(OSM generic routable new(〜).gmap)を開く。
これで地図データがリストに表示されるはずだ。そして、地図データをGarminデバイスに転送する。これもGarmin BaseCampに付属するMapInsallを利用する。
- GarminデバイスをUSBケーブルでMacに接続する。
- Garmin MapInsallを起動する。
- 「マップの送信」ボタンをクリック。
これで地図データがGarminデバイスにインストールされる。Garminデバイスの地図ページを開けば、現在地の地図が表示されるはずだ。見知らぬ海外の土地だからこそ、今いる場所と道路の繋がりが分かるのは有り難い。ただ、Garminのナビゲーションで目的地をセットするのは、海外ともなれば至難の業。一方で、iPhoneでの地点指定は簡単だから、これを手軽に転送したいところ。
ところで、ある国全体ではなく特定の地域のデータだけをダウンロードすることもできる。このためには、Enable manual tile selectionをチェックして、地図の領域をクリックして必要な部分を青くする。そして、メール・アドレスを入力して、Bulid my mapをクリック。これでサーバ上でデータ作成が始まる。この作業は少なからず時間がかかるので、メールで進行状況が知らされるようになっている。
筆者がアムステルダムとナイメーヘンの周辺を指定したところ、なんと作業に9日間以上もかかると言われてしまった。草の根サービスなので文句は言えなけれど、なんとも想像を絶する遅滞ぶり。もっとも実際には2日半ほどでデータは完成したし、日本に帰国してから同じ地域を指定した時は、十数分で作業が終わった。作成するデータ量やサーバの負荷によって作業時間は変動するようだ。
また、Garminの日本サイトは信頼性が低いので注意したい。例えば、日本サイトではヨーロッパの地図データは18,000円のmicroSD/SDカード版しか販売されていない。これが本家アメリカのサイトではダウンロード版もあり、いずれも$49.99(約5,500円)だ。さらに日本サイトでは、BaseCampはPC版しか記載されていない。3倍以上の価格設定も解せないが、不完全な情報提供は困惑してしまう。
大変、参考になる情報です
ありがとうございます
何故なら、自転車で国内外を旅するのが趣味で、10年以上もEdge705を使い続け、そろそろ機種変更しようかと思っていたところに、この情報に出会いました
一点、ご質問があります
地図情報を用いて検索などは、国内地図と同じように可能なのでしょうか?
赤松さん
貴重な情報、大変助かりました。コメントされている通りGarmin Japanは本当に酷いサービスで、北米地図ダウンロード版を購入したのですがedge530 Asisではインストールできませんでした。アメリカ横断自転車ツアーをする上でどうしても必要だったので困っていたのですが、地図が入手出来て助かりました。感謝、感謝です。
自転車でアメリカ横断とは素晴らしい。ぜひ道中記を書いてください!
興味を示していただき嬉しいですね。コロナのおかげで何時実行できるか、老いとの戦いです(只今67歳)。ルートは一番難しいロッキー越を考えていて、わざわざクロモリでパニアを取付けた自転車でキャンプの練習を始めようとしています。普段はカーボンで電動変速に乗っているので逆カルチャーショックです。ルート50はアメリカで最も寂しい国道としてタイムにも紹介された道です。
満点の星空の下でキャンプも良いと思いませんか! Seniors be ambitious!
ルート50も星空も本当いいですね。出発の際はご一報ください。早く入国制限が解除されることを祈っています。
赤松さん
大変ご無沙汰しております。以前にガーミンの件で連絡を取った谷口です。
本日友人にこのサイトの事を話して、思い出しました。
アメリカ横断は昨年デンバーから大平原を抜けて、カンサス、ミズーリ、イリノイ、インディアナ、ケンタッキーと通りテネシーのノックスビルまで2,000マイル走りました。OSMデータには大変お世話になりました。今年も5月からOTET(Ohio To Erie Trail)と言う自転車道を走りに行く予定です。
お久しぶりです。2000マイルは3200キロほどですね。それは素晴らしいです。道中記、いかがでしょうか?