シートに座った姿勢で前方のペダルを漕ぐ自転車、リカンベントはマイナーな存在ながら、一般的な自転車とは異なる魅力を持っている。そんなリカンベントの中でも、さらに珍しい前輪駆動式を追求しているのがアメリカはノース・カロライナのCruzbike社。同社の自転車は噂に聞くだけだったので、Kickstarterで行われた新型T50のクラウドファンディングは好機だった。そこで勇んで申し込んだわけだ。
T50のクラウドファンディングは今年4月にキャンペーンを開始し、1ヵ月後にはファンディングに成功。そして予定通り、6月末に製品が発送され、日本には7月頭に到着した。クラウドファンディングでは、しばしば開発遅れが生じるが、T50は開発済みでマーケッティングを主体としたキャンペーンだったらしい。もちろん、スピーディに展開し、遅延なく発送されるのは気持ちが良い。
筆者がバック(支援)したのは「Black Frame Set – Early Bird」で$650(約72,000円)、日本への輸送費が$250と合わせて$900(約100,000円)だった。フレーム・セットのみの直販であり、代理店を通さずサポートがないが、日本で購入するリカンベントより随分と安く感じる。ちなみに、通常価格のフレーム・セットは$865(約96,000円)、完成車は$1,399(約155,000円)が予定されている。
さて、届いた箱は意外と小振りだった。梱包材が多く使われているので、実際のフレーム・セットはさらに少ない。しかも、いずれのパーツも通常の自転車からは連想しにくいものばかり。簡単に組み立てると、さら怪しい雰囲気になる。異星の乗り物と言われても、信じてしまいそう。これが本当に自転車として走れるのだろうか?ただ、見当がつかないだけに、未知のものに対する不思議な期待感もある。
このフレームセットには、以下のコンポーネントを用意して組み立てなければならない。WEBサイトには推奨製品のリストがあり、特殊なものはないようだ。だが、日本では同一製品の入手ができないかもしれない。また、組み立て手順はビデオで紹介されており、簡単そうに見える。だが、実際には難しいかもしれない。今は怪我が完治していないので、当面はフレームを眺めて過ごすことになりそうだ。
- ハンドルバー
- シフター&ギア
- ブレーキ
- リア・ディレイラー
- クランク
- ホイール
- タイヤ
【追記】Cruzbike T50のフレーム・セットに各種コンポーネントを組み込んで、自転車として完成することができた。その顛末は「前輪駆動リカンベントCruzbike T50の組み立て」を参照されたい。