自転車のなぜ?に迫る、お子様絵本図鑑

自転車とその乗車を解き明かす大判本が「自転車のなぜ」。サブタイトル「物理のキホン!」が示すように、自転車を題材とした物理学の解説だ。豊富なイラストと平易な文章、すべての漢字にはふりがな、クマ博士とともに「力のなぞ」を探る。そう、これは子供向きの絵本図鑑だが、内容は侮れない。科学工学系でなければ、知らないことばかり。かすかな記憶が頭の片隅に残っているかもしれないが。

この書籍は第0章で全体の概要を示した後、第1章で自転車の全体や各部のサイズを測るのが秀逸。つまり、単に本を読むのではなく、自転車に触れながら、ひいては自転車に乗りながら、その内容を理解することを勧めているわけだ。そこで、自転車とともに公園のベンチに腰掛けて、この本を読むのが良いだろう。気になったことがあれば、すぐに自転車で確かめられるからだ。

子供の頃に自転車に乗ろうとして、誰もが苦労したはず。だが、ひとたび自転車に乗れると、なぜこれまで乗れなかったのか不思議に思う。そもそも、どのように乗っているのかが分からない。すぐに倒れる二輪車が、なぜ安定して走行するか、その仕組みも知らない。知らなくても走れるし、知っていたとしても上手に走れるわけではない。自転車に乗ることは「体得」であって「理解」ではないからだ。

だから、この本を読み進めても「なぜ」が必ずしも解消されるわけではない。もちろん、本書の内容に不備はなく、周到な構成のもとに、明快な図解と丁寧な説明がなされている。巻末には「大人」向けの解説もある。「子供」向きの本なのに、知らないことが多いかもしれない。本書の構成内容のうち、何項目理解しているだろうか? 唯一の救いは、何一つ知らなくても自転車に乗れることだ。

  第0章 自転車にはたらく「力」ってなんだ?

  第1章 自転車をはかる
    単位の定義と標準
    測定値と誤差
  
  第2章 自転車に乗る
    慣性系と運動方程式
    自転車と遠心力
  
  第3章 自転車の構造 I
    トルクと駆動力
    自転車の馬力
  
  第4章 自転車の構造 II
    運動量と力積
    慣性モーメントと角速度
    角運動量保存の法則
  
  第5章 自転車の運動とエネルギー
    等加速度直線運動
    仕事とエネルギー
    力学的エネルギーの保存
  
  第6章 エネルギーの不思議
    なぜ自転車はエコなのか
  
  付録
    大人のみなさんへ(各章のポイント)
    読書案内

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