カーゴバイクを借りている。大量の荷物を、段階的・継続的に運び出す必要が生じたからだ。その経緯と所感をメモしておく。
なぜカーゴバイクが必要になったか
端的に言って、荷物の輸送のためである。
私は車を持たずに生活できているが、それは公共交通や徒歩、自転車で日頃の移動や買い物が概ねカバーできているからだ。これらの交通手段でアクセスできる範囲に充実した店舗やサービスが揃っているおかげといっていい。なお、自分のために他の誰かが車を走らせる場面をなるべく減らすため、ネット通販を利用する際も実店舗での受け取りを可能な限り選択している。
これまでのところ、カーゴバイクが必要だと切実に感じたことはなかった。自転車での日常的な輸送ニーズには、Le Mans Sportifの前カゴやバックパックで対応できていた。
しかし、この生活システムのキャパシティーに収まらない事態が生じた。近くに住む身内の家(集合住宅)に重要な工事が入ることになり、それが滞りなく遂行できる環境をつくるために、何十年ぶんもの荷物を放出しなければならなくなったのだ。汚れやダメージのある衣類や履物などは、シンプルに廃棄することができる。着られる服の寄付ボックスも徒歩圏にある。輸送を必要としているのは主に書籍で、行き先は最寄りでも数キロ離れた古書店だ。
とにかく全ての本を売却、ということだったり、仕分け済みの本が山ほど積んである状態なら、車を出すなり呼ぶなりしてドーンとやっつけてしまうのもアリだと思う。だが現実には、生活スペースを侵食していて、残す/残さないが未確定な本を、作業および仮置きスペースもほとんどない中で仕分けし、一抱えできる程度の量がまとまったら順に売り払いに行く、これ以外にまず方法がない状況なのだ。カーゴバイクはまさに、この状況にぴったりの道具であった。
どんなカーゴバイクを借りたのか
カーゴバイクは日本ではまだ珍しいし、手に入るとしても、そう安いものではない。フランスなどのような購入助成金もないし、カーゴバイクを一時期だけ使えるレンタルやサブスクもない。けれども幸運なことに、私には中古の小径車をベースにカーゴバイクを手作りしている友達がいて、彼が自家用に持っているうちの1台を借してもらえることになった。

かなりコンパクトで、積載量は目下の状況に対しては必要十分。電動アシストではないが、ロー寄りのギア比の変速が組んであるのでちょっとした坂があっても大丈夫。小径に太いタイヤで総重量もかさむのでスイスイ進みはしないものの、片道5kmくらいまでならばあまり不満はない。某tokyo自転車が展開を始めてちょっと話題になったカーゴバイクは前輪ブレーキがディスク=その辺の駐輪ラックに置くと当たって歪みそうなのに対し、こちらはVブレーキなので安心だ。

コンパクトさは日本の街角や自宅側の駐輪スペースでも重要になってくるポイントだし、さらに言えば、「荷物を積んだままエレベーターに乗れるか」という点も、考えたことがなかった人も多いかもしれないが、すごく大事だ。借りている小型カーゴバイクは、前述した集合住宅のエレベーターにギリギリ乗せることができる。台車などを介さずにドア前まで直で行けるのは、本当にめちゃくちゃ便利で、ありがたい。
自分でカーゴバイクを持ちたいか
今はちょっとカーゴバイク欲しいな、という気持ちになっているけれど、これまで必要不可欠とはいえなかったので、そこは大きく変わらないようにも思う。使う場面が限定的だし、コンパクトさも求めて小径にすると、どうしても車輪の転がりのよさによる滑走感、爽快感が弱くなってしまうから・・・。家族やグループや地域でシェアして、必要な時に必要な人が使えるような運用にするのが理想的かもしれない。
