ライドに必要なものは、もちろん自転車だ。クリティカル・サイクリング宣言の第2項「自転車に乗ることは、シンプルである」は、シンプルであることへの希求を内包している。だから自転車に乗る時は身軽になろうとし、装備は最小限に切り詰めようとする。一方、慣れていない人は過剰装備になりがちだ。いや、そもそも何を持てば良いのか分からない。そこで、一例として筆者の装備を紹介したい。
(1) フロント・ライト 夜間やトンネルで前方を照らして路面を確認する。
(2) リア・ライト 夜間やトンネルで自動車などに存在を知らしめる。
(3) ライト・リモコン ライトのオン・オフや点滅パターンを切り替える。
(4) バック・ミラー 鏡で後方を確認する。ハンドルの先端に取り付けている。
(5) ウォーター・ボトル 水分補給のために水やスポーツ・ドリンクを入れておく。
(6) スマートフォン 走行状態を把握したり、道順案内に利用する。
(7) 走行センサー 走行速度やペダルの回転数を検出する。
(8) ツール・ボトル 修理用工具など小物を入れておく。
まず、(1)フロント・ライトと(2)リア・ライトは必須だろう。予定外に夕昏れて暗くなることもあれば、長いトンネルを通ることもあるので、ライトは自転車に取り付けておくのが良い。いずれも明るければ明るいほど良い。筆者はフロント700ルーメン、リア65ルーメンと明る過ぎるくらいライトを使っている。手元でライトを切り替える(3)リモコンは便利だが、これはなくても良いだろう。
(4)バック・ミラーでは、自動車や後続者など後方の様子を確認する。後方に大きく振り返るとバランスを崩しかねないし、筆者は首をひねるのが苦手なので、このミラーに助けられている。また、別の記事でも紹介したように、サイクリングでは水分補給が不可欠なので、フレームに取り付けたボトル・ケージに(5)ウォーター・ボトルを差しておく。少し扱いにくいが、ペットボトルでも構わない。
(7)走行センサーからの各種情報を(6)スマートフォンで表示して走行状態を把握する。これは別記事で紹介した通りだが、他にもGPSでの経路記録、目的地へのガイド、写真撮影、情報発信、相互連絡、代金支払いなど、スマートフォンは七面六臂の大活躍をする。このために簡単に取り外せるアダプタを利用して、スマートフォンを見やすい位置に取り付けておくと良い。
最後の(8)ツール・ボトルには、修理用工具や財布など細々とした小物をまとめて入れておく。同じ用途でサドルやフレームに取り付ける小さなバッグも利用できるし、バックパックに入れて背負っても良いだろう。ただ、ボトル・ケージに挿すツール・ボトルは、簡単に出し入れができるので、複数の自転車で利用するのに好都合だ。いずれにせよ、その中に何が入っているかは後の記事で紹介する。