Sound of Cycling RE:#06 かっこいいペダル

”サイクリングを音楽にする”プロジェクト「Sound of Cycling RE」の制作記第6弾。今回は音作りそのものから離れて、ペダル周りの設計について書く。ペダルに取り付けたセンサーからの値を元にする作品なので、非常に重要な部分である。また、アプリの開発といったソフト面だけではなく、ハード面の開発もプロジェクト全体にとって大きな要素となる。

センサーの正体

センサーとなる「M5 StickC Plus」は、小型ながら非常に優れたセンサーである。

コンパクトな筐体内部には、赤外線、RTC、マイク、LED、IMU、ボタン、ブザー、PMU など、豊富なハードウェアリソースを内蔵しています

公式サイト説明より

サイズは48.0 x 24.0 x 13.5mm、重量16.9gと極めて小型で軽い。そのままペダルにくくりつけるだけでも十分に役割を果たしてくれそうだ。

2つの制約

ペダルに取り付けるにあたって考慮しなければいけないポイントは以下2点。

・取り付け方向
・回転に耐える堅牢性

センサーの回転方向から回転数(BPM)を割り出すので、常に一定の方向を向いている必要がある。プログラム上は長方形の筐体短辺上部を進行方向、LCD画面が上を向いている状態を前提としているので、その方向がずれてはいけない。また、ペダルへの設置は、側面にそのまま両面テープで貼り付けるなど雑な方法はあるものの、それではペダルを踏み外した瞬間に、作品が終わる。

ペダルのユニット化

前述のポイントをクリアするために、ペダルを「ユニット」として捉えることとした。センサー、ペダル本体に加え、薄型のモバイルバッテリーを使用する。モバイルバッテリーは「重り」として取り付けることで、常にペダルが同じ位置に納まるようになる。また、いざというときの電源供給装置としても活躍する。

ペダルはサイドにセンサーが納まるような形状のものを探した。今回システムを乗せる自転車としては16インチの折りたたみ自転車を想定しており、輪行する場合も考えて着脱式のペダルを探していたところ、三ヶ島製作所の「PROMENADE Ezy」に行き着いた。形状的にセンサーがすっぽり収まりそうだ。

「作品」にするための工作

センサーとモバイルバッテリーは面ファスナー(マジックテープ)で固定した。そのセットを幅4cmの結束ベルトでくくりつける。結束ベルトは100均ショップのアウトドアコーナーで売っていたものだ。センサーはそのままだと素の製品すぎるので、全体をクリアーレッド、右1/3をフラットブラックで塗装した。クリアーレッドで塗装したのは、赤LEDの点滅がきれいに輝くようにするためだ。ちなみにLEDは、センサーからのデータ送受信が問題なく開始されてから毎秒点滅するようにセットしている。

段ボールからの進化

手作りではあるが、全体的にコンパクトに収まり、質感も悪くないと感じる(堅牢性はもうひと工夫欲しいところではある)。土台のモバイルバッテリーごとずらせば、USBのケーブルでそのままセンサーに給電できる。着脱ペダルなので、外してしまえば盗難防止にもなることはあとから気づいた。初代「Sound of Cycling」でセンサーを段ボールで包んでいたことを考えると大きく進歩した。無骨な工作ではなく、作品であるためにもこのペダル部分は「かっこよく」したかった。

展示します

このような感じで、ハード面を開発しているが、同時に音の作り込みも進めている。当初音色の変換をUI上から行うことを想定していたが、実際の運転時に操作するのは少々危険が伴うことなどから、ある一定条件の上でHARDモードから環境音的なAmbientモードに自動で変換していくようにするつもりだ。

この「Sound of Cycling 」は、2026/3/14(土)15(日)にIAMASにて開催される「クリティカル・サイクリング展 この大きな空の下、風になる」にて、体験できる形で展示する予定。ぜひ実際に乗って「サイクリングの音楽」を楽しんでいただければと思う。

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