ヘンリック・オッレの冒険の食事

ヘンリック・オッレ(Henrik Orre)の「Food for Adventure」はサイクリストのための料理レシピ本の第3段。以前の「Velochef」と「Velochef in Europe」はクルマで移動し、ツアー・バスやホテルで調理することが前提になっていた。それに対して今回は自転車で移動し、野外やテントで調理をする。つまり、食材も調理道具も最小限に切り詰める。それでこそ、どこへでも出かける軽やかな冒険となる。

Velochefシリーズの3冊

本書で紹介されるメニューはスープからリゾットやハンバーガー、そしてスイーツやドリンクまで盛りだくさん。野外の簡単な装備で調理できるシンプルなレシピが並ぶ。中には焼きトウモロコシやチキン・ラーメンなど失笑しそうな逸品もあるが、演出と撮影の巧みさで何とも美味しそうに見える。これらを大自然の中で味わうのは格別の体験に違いない。例によって翻訳アプリで読み進める。

リアルタイム翻訳アプリでの表示

もちろん本を読むだけでは「完全に理解した」とは言えない。そこでまずは道具を揃える。本書の前半は自転車1台で小さめのバッグで運搬できるようになっている。筆者はさらに簡略化してバーナーは固形燃料で、フライパンやソースパンはポットやメスティンで代用。特徴的なチーズ・グレータやペッパー・ミルなども小さめのものを用意する。これでその場で切って火にかけ、おろして砕くことができる。

本書で紹介された自転車向けの料理道具
筆者が揃えた自転車向けの料理道具

ブルーベリー・ポリッジ

それでは、いかにも簡単そうなブルーベリー風味のオートミールのお粥に挑戦してみよう。材料の大半を占める粉末系をビニール袋に入れておけば、ポットに沢の水とともに入れて火にかけるだけ。時々かき混ぜながら5分ほど煮る。別容器に入れた生ブルーベリーをトッピングすれば出来上がり。確かに準備も調理も簡単で、手軽に満腹感が得られる。ただ、書籍のように鮮やかな紫色にならなかったのは謎。

本書のブルーベリー・ポリッジの紹介ページ
自宅で準備した食材と調理道具
(右上のポットにすべてが収まる)
固形燃料で調理中
ブルーベリーお粥の出来上がり

パルメザンとトマトのクルトン

もうひとつ試したのがパルメザンとトマトのクルトン。事前に乾燥気味の食パンをサイコロ状に切り、ドレッシングを調合しておく。にんにくの微塵切り、パンのオリーブ・オイル炒め、トマトのカット、チーズの削り出しなどは現場で行う。それがフレッシュな美味しさに繋がるのだろう。とは言え、幾分かは雰囲気問題かもしれないので、もう少し事前作業を増やして簡略化することもできそうだ。

本書のパルメザンとトマトのクルトンの紹介ページ
自宅で準備した食材と調理道具
屋外で調理中の様子
クルトンの出来上がり

料理の冒険

普段は料理をしない筆者には、料理自体が冒険だ。tspやtbspといった略号は調べられても、感覚的なことは分からない。最初はお粥を焦がしたり、クルトンが生焼けだったりしている。ただ、それでも簡単なレシピで一品だけ作る気軽さは有り難い。最小限の道具でやりくりを考えるのも楽しい。プロ・チームのシェフは無限遠だが、もう少し修行すれば友人に振る舞えるかもしれない。

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