Shin・服部製作所インタビュー全文

仕事内容について

赤松正行(IAMAS教授):フレームの注文をされるのは近くの人ですか?

服部晋也(Shin・服部製作所代表):今作っているのは、会ったことがない新潟の方です。いろんなところから注文が来れるようにはしています。九州とか島根とか、壱岐島にも送ったことがありますが、ちらほらで、メインはローカルです。うちは新品だけではなくてクロモリフレーム修理をよくやっています。例えば凹んでしまって全体的に歪んでいる部分を切りとって、新品に替えます。

赤松:そういうこともできると。

服部:はい。これは福岡の取引先の自転車ショップさんから送ってきたんですけど、これを直して塗装して送ります。クロモリは一回二回くらいならこういうところを切ってもう一回バーナーで炙って取ることができるので、そういう修理もします。新品もですけど。うちはフルオーダーで新品のものをフェイス・トゥ・フェイスで作ることもやってますし、ショップさんに代理店になっていただいて、ショップさんがオーダーを計測し、それを送ってもらってそれの通りうちが作って差し上げる。あとはこの間お会いしたCULTURE CLUBさんの経営母体であるCirclesさんという自転車屋さんは、輸入と輸出もやっている。彼らはアイディアマンであり、流通の人たちであり、宣伝のプロフェッショナルなので、彼らと組んで作った自転車等を今年から多分アメリカの方に出す予定です。うちの作業場が見ての通り狭いので・・・

赤松:手狭になってきた?

服部:のようなんです。なので、僕ケチなので、あっちの建物に移そうかなと思っています。機械を増やすとフレームビルダーじゃなくて、ちょっとずつスモールメーカーみたいになっていけるかなと。ローカルの人は直接会ってやればいいんですが。いろんなところに売っていけば、まあ、食べれるかなと(笑)。

アメリカでの修行

赤松:何年やられてるんでしたっけ?

服部:今4年が終わって5年目ですね。元々は僕日本の競輪のフレームビルダーさんのところで勉強した訳ではなくて、アメリカの方でそういうのを・・・

赤松:アメリカのどちらですか?

服部:オレゴンです。自転車のフレームのメンテナンスから製作まで教えてくれる学校があるんです。学校なんですが2週間で終わります。プロのビルダーさんが講師でいて、その先生の後について真似しながらフレームを2週間で1本作るという。20万円くらいです。

赤松:それは基礎知識は必要ないんですか?

服部:あったら有利です。あったらスムーズに作れる人は多い。アメリカはみんなガレージでDIYをする文化があるので、結構みんな日本人よりはついていけている。逆に僕なんかは新卒社会人だった頃は自転車の一応パーツの問屋さんで働いていて商売人だったので、手の器用さにあまり自信がなかった。なんですけど、そこでうまいこと勉強して、ちょうどアメリカ滞在ビザがおりたので、1年いて、向こうのフレームビルダーさんのところにホームステイさせてもらって、そこで勉強して。

赤松:それもオレゴンで?

服部:それはテキサスでした。

赤松:また全然ちょっと・・・

服部:そうですね。左上から右下の方まで行くっていう(笑)。そんな風で27歳の時にここで始めて今31歳です。最初は機械とかもあまりなかったので、近くの・・・ブロンプトンってどこで買われたんですか?

赤松:あれは、京都のLOROさんです。

服部:LOROさんですか。ここでも小径車が有名なお店があって、小牧の「じてんしゃひろば遊」さん。あそこは近いので、最初メカニックのバイトしながら週5日向こうで働いて、週2日は遊びに行ったりもしますが、まあここで。友達が最初に注文をくれたので、そこから始めたんです。そこから1年経つ頃にちょこちょこと打ち込みで注文が入るようになって、週に2日だけだとおぼつかないんで、バイトはやめて、そこからフルでやっています。結構貧乏暇なしです。注文があるので有難んですけど。ここでやると一ヶ月で作れる本数も、うまくやって一ヶ月で7本作れた月があったかな。でも死にそうになるので、嫌じゃないですか(笑)。

赤松:まあそればっかりっていう感じになるんですよね。

服部:ええ、そればっかで休みもないですし、本当はグータラグータラするために結婚して、怒られないですし上司もいなくていいなと思ってたんですけど・・・

赤松:アシスタントは入れてないですよね。

服部:もしかしたらあっち移って・・・今ここにアシスタント入れたら危ないですからね。(部品を)真っ赤になった状態で持って歩いたりとかするかもしれないので。向こうに移ってさっき言ったアメリカに出すものがどれだけ出るかで、バイトやりたい子がいたら、地元の子で雇えたらな、とは思います。今年うちも大きな転換点です。

 

アメリカへの進出

赤松:アメリカ向けの製作は何月くらいから始まるんですか?

服部:今月から始める予定なので、そろそろアメリカの製造物責任保険なんかも取らなければならない。あれはお金さえ払えばすぐ取れる保険みたいですが、日本よりも随分高いです。訴訟社会で、保険の値段が日本の5倍~10倍くらいします。

赤松:でも入ってないと大変なことになりますよね。

服部:まあね。ただ補償額が安くて、5千万円までしか補償しないっていうんですよ。1年30万円で。5千万円って、人死んじゃったら多分5億円くらいかかりますから。起きたらどうしようもないなと。

赤松:変な言いがかりつけられると嫌ですしね。

服部:そうですね。アメリカ人の方は逆に細かいところに対する言いがかりはなくて、むしろ日本人の方の方がうるさい。クオリティをある意味理解する国民性なので。本当に大事なところをわかってらっしゃる方もいるけど、結構どうでもいいこと、その方にとってみたらどうでもいいことではないのであれなのですけど、細かいっていう人も日本にはいらっしゃる。

赤松:今やってらっしゃる制作費は割とリーズナブルな感じを受けますが、アメリカに持って行った時はどうされるんですか。向こうとのバランスもありますでしょう。

服部:アメリカに行く時は多分SimWorksさんが、うちの言い値で買ってもらってるので、それに対してシッピングの輸送費などを彼らが上乗せして売るんだと思います。今円安ですし、いいですよね。

赤松:為替の変動で失敗するといけなくなりますよね。

 

値段設定と溶接について

服部:問屋さんはね。うちは逆にSimWorksさん以外に興味がないくらい、いい取引先です。うちに値段を言えっていうんですよ。僕に値段を決めさせてくれるので、非常にありがたいです。ただ僕も貧乏性なので、割と安く言っちゃいます。僕と同世代の同業者は日本全国見渡すと結構いますが、彼らからその値段おかしいだろうと言われます。でも割と僕は手が早い方なので、自分が出す値段に対して安すぎる気はしていない。むしろ台湾よりだいぶ高いのに買ってくれるなんて嬉しいな、と思いながらやっています。すごく珍しいんですが、うちは溶接する方法としてティグ溶接が多いんです。これはフィレットブレイズって言って、真鍮です。半田付けと同じような要領で、鉄パイプと鉄パイプをピッと突き合わせる。フラックスという酸化防止剤を塗って、そこをバーナーで熱していくと、段々オレンジ色になりかけてくる。真っ赤になるとよくないんですけど、その時に鉄よりも低い温度で真鍮が溶ける。そこで毛細管現象が起こって、パイプとパイプの隙間に蝋が溶けて、シュッとまわるんです。要は、ろう付けは半田付けの延長のようなものです。いわゆるラグドフレーム、継手が付いているやつです。こういうのは先ほどの毛細管現象を利用してこの継手に対してチューっと注入すると、こうやって回ってこっから出てくる。そうすると全部が接着剤として蝋が中に回るので、強度が良くなる。これが蝋付けって言われるものです。これは何もないパイプにひたすら蝋を盛り付ける。最初は汚いですが、これを綺麗に研磨していくのがフィレットブレイズっていうろう付けの方法です。日本でハードめのバイクをやっている方は、この蝋付けがほぼ主流です。僕は性格がせっかちなので、一本作るのにとても時間がかかります。なのでやはり値段を上げざるを得なくなる。うちなんかはやはり出だしに僕が自分のブランドをやるっていう時に結局僕自身にブランド的価値なんてないですから、高いフレームだしたところで誰も買ってくれないことなんてよくわかってた。なので、ティグ溶接で、ハンドメイド・オーダーメイドなのに、価格はなかなかこなれてるっていう風で。ティグ溶接は鉄と鉄を・・・ろう付けって実は厳密に言うと溶接じゃないんです。半田付けに近い。だけど本当に鉄の溶接っていうのは中国や台湾で量産されているクロモリフレームに多く見られるティグ溶接をうちはメインでやってます。なのでとても珍しくて。

 

 

赤松:仕上がりはこっちの方が綺麗ですよね。

服部:そうですか?僕はあまり興味がなくて。

赤松:そうなんですか?なんかこのモコモコモコってしちゃう・・・

服部:まあ溶接ですからね。僕はこっちの方がかっこいいって思っているんです。これは仕事なので、お客さんがそうおっしゃればね。僕の人件費がプラスされるので、プラス何万でっていう感じでやってます。強度的にはティグ溶接のが厳密に言うと丈夫です。あまり優位な差はないですよ。普通に自転車としての強度は取れるんですけど、壊れ方とかが違う。ティグの方が局所的に熱をかけるだけで済むので、非常に歪みが少ないというのと、母材への負担が少ないというのは確実に言えますね。ここまでいくとアートになってくるんですよ。まあアートでいいんですけど、これ始めて今何日経ったかな(笑)。

藤吉功光:アンカーってこの・・・

服部ブリヂストンさんは実は継手なんですけど、不思議な継手の形をしている。それはプレス機で、そこに差し込んで蝋をチョンチョンと流し込んで作ってるから。速いはずです。

藤吉:これは普通のパイプに上に盛っている?

服部:そうなんです。これは大変なんです。肩は凝るし腰も痛くなるし、遊びにも行けないし(笑)。確かに美しいものって怖い。僕が有名人で日本一の大先生だって言われたら、これを40万にして売ればいいんです。今の状態で25万で買ってくれる人がいたらありがとうっていうところ。このフォークとこれと(聞き取り不能)お客さんが35万で買ってくれるっておっしゃるから、じゃあそれでって。まあ僕が見積もり出すんですけど。値切られたらやめてくださいって言いますが(笑)。去年40本50本作ったうちの唯一のフィレット。とても珍しいです。これは一週間半以上かかっちゃってるんで、やべえ、と思いながらやっております。次もあるのにもうそろそろ次のに取り掛かっていかなければ行かない時期なのに、これまだいつまで経っても綺麗にできんわーみたいな。まだ磨かなきゃーみたいな。

(省略)

服部:綺麗なものは素晴らしいですけど、ご飯食べていかなければいかないと思うと胸がきつくなるなと。

 

自転車業界の難しさ

赤松:YouTubeか何かのインタビュー見せていただいて、カーゴバイクを今後やりたいとおっしゃってられてて・・・

服部:ああ、今作りかけがそこにとまってますけどね。ああいうロングテールですとか、オランダのブリッツのような型のカーゴバイクもちょこちょこ作るとか。あとタンデム。女性・・・別に女性でなくても男性二人でもいいですが、なるべく女の人と乗りたいですけど(笑)。タンデムを作ろうかなと思ってやってます。うちは別に仕事なので、僕自身特にそんな立派にああしたいこうしたいという理想はあまりない。

赤松:お客さんの願いを、みたいな。

服部:そうですね。うちの時給と製作が仕事として成り立つなら受けます。こんな仕事はご飯が食べられば御の字ですから。なかなか同じような仕事を若手もやりますが、ご飯を食べられる人は本当にいない。

赤松:今日本にどれくらいいらっしゃるんですか。

服部:競輪がメインなので、競輪のものを作ってる方を合わせると100はあるのかな。もしかしたら200・・・全盛期は300くらいあったと思うんですよ。ただ、もう今作っている方が高齢化しているので、多分150とかになっているんじゃないかなと思います。実際それで食ってるって人は一握りじゃないですか。やはり基幹産業である競輪の方、ほとんどの方が競輪のおかげで注文が来て飯が食えている。我々は競輪の免許を取ってないですから。競輪は公営ギャンブルの性格上、皆さん同じ規格のものを使ってね、っていう決まりがある。

赤松:規格に合わせてフレームライセンスみたいなものがあると。

服部:はい。まあ実際は(聞き取り不能)。そうすると、競輪選手に評判が出れば、彼らは毎日仕事で乗るので自動的に注文してくるので営業の必要がない。フレーム作りをやってらっしゃる方たちというのは、評判さえよければ注文がくる。我々みたいな自転車が好きで自転車を作り始める人たちというのは、やはり競輪のものを作らないんですよね。なので、どうやって注文を頂くか、飯を食っていくか、仕事として成り立たせるかが大事です。それができている人はほとんどいない。競輪の人は食っていけるけど、それ以外の人はやはり難しいというのがこの業界かなと思います。

設立までの経緯

赤松:そもそも自転車がお好きだとは思うんですけど、スタートは何だったんでしょうか。

服部:大学の時にサイクリング部に所属していて、ツーリングで自転車に荷物積んで北海道一周キャンプしてったりとか、競技やロードレースもやっていました。マウンテンバイクも乗ってましたし、色々やってたんです。

赤松:オールラウンダーですね。

服部:そうですね。選手としてはそんな速くはなくて、弱くてダメでした。同じ部活にいた1個上の人もフレームビルダーになったんですよ。愛知県のフレームビルダーのところに・・・愛知県はうちとそこと2軒なんですけど。

赤松:同年代。

服部:そうなんですよ。弟子入りしたんです。学生の頃から先輩を見ていると、めちゃくちゃ手が器用だしセンスがいいから、これはかなわないなと。僕はどちらかというとイベントなどをオーガナイズしたりですとか、わりとバランスをとる役割だった。サイクリングクラブの部長やったりとか。せっかくだから自転車のものを商材にして商売人になろうと思って問屋さんに入った。問屋さん入ると社員の先輩の人たちが自転車を好きじゃないですし、それでなんだろうなと思って。あとは怒られると悲しいじゃないですか基本的に。なので嫌だなー逃げたいなーと。それでたまたまおじいさんが亡くなったんですよ。家族で看取ったんですけど、どうせ死ぬならなんか適当に好きな事やって生きれたらいいかなあと思って。それで会社辞めて、いろんなところに弟子入りしようかと思ったんですけど、やっぱアメリカのハンドメイドバイクが一番かっこいいなと思って。さっきの愛知県の先輩がいたビルダーさんのところに弟子入りしようとしたんですけど、もう一人も面倒見れんわと言われて。君が本当にアメリカのバイクが好きなら日本のビルダーに弟子入りしようとせずに、アメリカに一人で勉強した方が絶対良いって言われて、まあ行こうかなと。それで、1年間アメリカで暮らしました。だからどっちかっていうと、嫌なことから逃げ回り続けているのが僕なんです。

赤松:結果的に好きな事で家を建てられてらっしゃって。

服部:建ってるのかなーみたいなところはあるんですけど(笑)、なんとかやっと仕事になってきたというところがある。その割には用意周到で株式会社にしてあって、ちゃんと一応は決算証明書とかを毎年会計士さんに頼んでつけています。4年経ってやっと決算証明書がちゃんと出て、なんとかこちょこちょこちょこちょ色々いじくって黒字にし続けたら、銀行さん行ってお金貸して言うたら貸してくれるいうたんで。じゃあこっちに引っ越してもっとなんかやろうかなと。あと楽がしたい(笑)。本当に、楽がしたい。

赤松:遊びに行かなきゃいけないですもんね。自転車乗らないと。

服部:本当に大事で。あと寝たいし、酒も呑みたいし、彼女とも遊びたいし(笑)。なんか嫌だなーと思いながらもやってると結局夢中になっちゃうんで、やっちゃうんですけど。本当嫌なことから逃げ続けているこの人生みたいな。ダメなやつで。

赤松:ちなみに僕このあたりあまり詳しくないんですが、どのあたり乗られるんですか?

服部:僕は、木曽川ってわかりますか。大垣からいらっしゃったら木曽川はわかると思いますが、あのあたりまで走りに行ったりとか。あと犬山の方、僕はあっちの木曽川に出るときは南にひたすらロードでまっすぐ平坦を走っていくのが、行きたいなと思うときはそっちに行きます。山登ってっていくともうちょっと北の方で犬山とかあっちの方に行きます。マウンテンバイクが乗れるところが北の犬山の方にあるんで、そっちに行ったりとかもします。あと今でもキャンプとかは好きですね。

赤松:それでカーゴバイクも作って。

服部:そうですね。カーゴバイクもツーリングにはいいですし。輪行ができないのが難しいですけど、その辺のキャンプ場近いところまで走ってって、そこで明るいうちから酒呑んで適当なもの作ってグダグダするみたいな遊びには使えそうだなと思ってますね。なんで、そんな風で適当にやってますよ。

赤松:素晴らしい。ここもすごい雰囲気いいですよね。明るくて。

服部:そうですね、雰囲気はいいです。親父が建築事務所やってて、親父のデザインなんだけど、引退してからここで自分の趣味の部屋にしたかったらしいんです。けど、まだ引退できないみたいで、その間ここ月いくらって感じで借りてやってます。本当にそんなクリエイティブって言われたら全然クリエイティブではないんです。

赤松:今回お願いしている撮影台もそうですけど、今後ちょこちょここういう特殊なものを作りたいなと思ってるんですけど、なかなかそういうのを相談できる所がなくて。出来合いのものだと、どうしても安定感がなかったりとかするので。なのでカーゴバイクとかも普通は荷物置くんでしょうけど、コンピュータやプロジェクターとか置けるようなものに、そういうのを今後やりたいなというか、多分やることになるとは思うんですけど。とかもあって、いろいろ知恵など協力していただけると嬉しいなっていうところなんです。

服部:うちでよければですけど、あっちに移ればいろんなカーゴバイクとか大きいものでも。ちょっとここで作ろうと思うとあまりにもデカすぎて、作業場を動き回れないっていう感じになっちゃうんで。

赤松:あと電動アシスト対応とか、そういうのは今後考えてられるんですか。

服部:いいですよね。できれば、仕事になるならやりたいですけどね。

 

今後の自転車業界

赤松:アメリカ行ってらっしゃったら体験されていると思うんですけど、日本だと法律がきつくてあまり嬉しくない。嬉しくないというかママチャリぐらいにはいいけど、それ以上になるとなかなか辛かったりするので。

服部:そうですねリミッターがついてて、24キロ以上出ないようになってますからね、日本の電動アシスト自転車は。(参考:公益財団法人日本交通管理技術協会

赤松:そこも含めて何かできないのかなあ、と思ってるんです。

服部:そうですね。今自転車業界は史上空前の不景気で、とてもものが売れない時代になっている。日本は実は弱虫ペダルブームがあったおかげで、ここ数年の世界で急落し続ける世界のスポーツ自転車のマーケットからはちょっとだけ救われている。ただちょっとここんとこ弱虫ペダルブームも、一巡したかなというところで。どの自転車屋さんも売れないっていう。困ったなぁというところで。ヨーロッパとかで不景気な自転車業界を救う、って言われているのがイーバイクです。非常にすごい性能で、時速70キロとかくらいまでは出ちゃう。日本では多分死人が出ると思います。せっかく世界中で売れまくっているイーバイクのマーケットに、日本は出遅れる感じはある。ただまあ力が弱い方や障害がある方、あとはものを運ぶ・・・要はカーゴバイクは運送会社さんに使ってもらうとかっていうのはもしかしたらアリかもしれないので。それを目指してマーケティングやっていこうかと思うと、多分15年、20年スパンで見ることになると思います。今から何かものをアウトプットしてやってくなら、予算は事前に必要になってくる。15年20年後に俺たちがパイオニアだと言って回収できるような構図にしないと、商売的には難しいかもしれない。ただうちは逆に言うとハンドメイドでできる範囲で僕一人が採算が合えば、1台2台は作って終わっておけばいいとは思うので、そこは単価次第になってくるんですけどね。

赤松:普通のロードバイクとして考えると24キロまでしかアシストしてくれなかったら、全然意味がないですよね。

服部:なかなかね。

赤松:逆にその法律をどうしてもないという前提に立つと、それでも役に立つバイクってカーゴバイクとか。ヤマハとかもそうですけど、子供を乗せるバイクとか。そういうのになってしまう。その場合は確かにいいんだろうなと思うんですけど。

服部:あと商売のツールとして、移動店舗なんか。カフェをやりたいって人がいた場合に、お店を名古屋市内やどっかの街中でやるというのは大変なので、移動販売が出来るようになるといいんですけど、結局道端でやっていると、多分怖いお兄さんか警察官のどっちかが現れるんで。

(省略)

ミグ溶接

赤松:ほか何か質問とか。彼もこういうのに興味があって。

湯澤大樹(IAMAS修士2年):溶接を今やっていまして。

服部:どんな溶接をやられてるんですか?

湯澤:全然まだ覚えてないんですが、にょっと出てくるのがありまして、それをこうつけるとこう・・すみませんざっくりとしていて。

服部:はいはいはい。ろう付けじゃないんですね。

湯澤:ろう付けではないですね。

服部:なんだろ。こういう機械がある?

湯澤:そうです。

服部:ああ、ミグ溶接。

湯澤:あ、ミグ溶接です。

服部:はいはいはい。ミグもね。ああいうちょっとした鉄をくっつけるにはいいですよね。ティグ溶接よりはちょっとボコボコっとなっちゃうけど。例えばメタルの机や椅子の脚と天板がくっついているところだと裏側だと見えてもいいということで、じゃんじゃんじゃんとついてたりとか。僕もやれてないですけど、よく一緒に朝市をやったりとか、マルシェとかに出店したりするんで、そういう人たちとみんなで一緒に家具みたいなもの作れたらいいねーとかいって。せっかくだから事故で使用不要になったクロモリフレーム集めて、椅子とかソファとか。木工が得意な仲間もいるので、そういう人たちと組んで家具作ったら面白いかなとか。なかなかみんな本業が忙しくて実現しないんですけど、互いに本業が忙しいうちはいいよねっていう。

 

IAMASとの協力の可能性

赤松:僕がいる学校も一応芸術系の学校で・・・

服部:ホームページ拝見しました。学生が全員で20名ですか?

赤松:1学年20名で2学年なんで40名です。

服部:それでもすごい。斬新な。

赤松:金工とか木工とかの部屋もあるし、デジタル工作機械もちょっとあるので、強度は出ないんですけど、精密なものとか、普通は作りにくいような奇妙な形のものとかは逆に作りやすいので、組み合わせてそれぞれの特徴を生かしていくようなものはありなのかなと。あと木にはなりますがかなり大きな切断機があって、それもコンピュータで図を描いておくとその通りにカットしてくれるんです。何か使えないかなと思いますが。

服部:いいですね。3Dプリンターなんかでも強度は出ないけど、例えば我々だと鋳物の試作をするのとかにいいでしょうしね。ドロップエンドっていうエンドがエンドの金具とかは立体なので、板で作れないこともないんでしょうけど、板で作るよりもっと。これからの時代はディスクブレーキが主流だと思うので、これもディスクですけど、あとスルーアクセルって言って・・こういうのを入れて、ここがドロップエンドです。これが交換式なんです。曲がっちゃった時とか。上からこうつけて、こっから通すと固定ができる。ドロップアウトの固定もできるし、さっき中に入れたやつの固定もできる。こういう立体的なエンドが今必要になっていて、昔からある普通のロードのドロップエンドもまあいいんですが、ディスクブレーキにするとどうしても制動力がかかるので、クイックリリースだと外れちゃう。なのでこいつを入れて、これですね。これ信号が12ミリのものなんで、めちゃくちゃごついわけですよ。だからディスクブレーキがガツーンと効いてもクイックみたいにたわまないので、これからはこういうのが増えてくるのではないかと思います。タイヤも結構太い。これ一応ロードレーサーなんだけど、ディスクのロードレーサーで、ちょっと太いタイヤが入る。

赤松:取り外しも簡単ですね。クイックではないとはいえ、そんなにややこしくはないですね。

服部:そうですね。これだけ最初から付けておけばヒュッとやっていいんで。これから主流になってくるかなと。個人的にはクイックリリース好きなんですけど、古いのでもう、べつにのんびり乗って、選手じゃないし、いいですけど。まあ商売上やっておかないとっていう、また商売人の顔が覗くんですけど。ていうので今回やってますけど。こういういろんな規格もいっぱい出てくるし、材料もクロモリっていいう古いものってイメージですが、実は中身は毎年アップグレードされている。そういう意味ではレースで勝ちたければ最先端のカーボフレーム乗らなければいけないですが、こういうものも面白いし、やはり日常が大事ですもんね。これからは自転車にみんなとりあえず毎日乗ってもらう。趣味じゃない人も。

小径車とママチャリ

赤松:小径車はどうなんですか。

服部:小径車も注文があればやりますよ。あそこにぶら下がっているのはかなり止まっていて、自分用に作ろうと思ってなかなかアレなんですけど。小径のカーゴバイクを考えていて。小径車にするとタイヤのスペースが広くとれるので。あと重心が低い。車輪が小さいと、20インチとかだとこれくらいになるじゃないですか、低い位置に荷物乗せる天板が来るから安定する。日本でカーゴバイクが普及しないっていうところには、みんな街の中に固まって住んでいるので、置き場がないんです。だから日本のミニ版ではないですが、そんな文化のようなカーゴバイクも考えると売れはしないだろうが、自分が遊ぶにはいいかなと。

赤松:僕まさに小径車でカーゴで電動付きがいいなと思っていて。そういうのがないので。

服部:もしかしたらブリヂストンさんでやり始めていませんでしたか?カーゴまではいかないですが、子供乗せて、かごがついてっていうのはあった気がする。ブリヂストンさん、パナソニックさんはやはり面白いなあと。

赤松:やはりママチャリデザインになってしまっていて、あまりかっこよくないんです。

服部:最近かごがついている自転車がものすごく流行ってきている。僕らの中でも。ロードレーサーにかごを付けるのが流行っている。僕らの中では(笑)。一大マーケットだと思うし。Blue Lugさんっていう自転車屋さんが東京にあるんですが、Instagramを見ると彼らは宣伝がうまい。「エブリデイバイク」って言って、スポーツバイクやる店なのにかごの在庫をめちゃめちゃ持っていて、乗らなくなったマウンテンバイクとかにかごを付ける。そうすると、アメリカの西海外にあるその辺の道端に停めてあるようなカッコイイ自転車ができるので、そういうのが僕らの中では実はキテる。だけど、インターネットでみんなやっているので、僕が参入したって別にお金が回収できんなみたいな。面白いとは思いますよ。だからママチャリがこれから逆に面白くなってくると思うんです。今年くらいからマーケットはレース機材がものすごく落ちていくと思います。だんだんみんな気付き始めちゃってるんで。すごい最先端のものを持つものに対して。最先端はわかりやすいですから、軽くて一番速いものって。作りやすいじゃないですか。お金さえあれば。なんですけど、そうすると結局また自転車関連の人たちが生きていくためには3年に1回くらいモデルチェンジをどうしてもしなければいけない。そうするとお金がめっちゃある人しか自転車趣味に追いつけなくなる。自分が乗っている自転車がダサいってみんな自覚した瞬間いらなくなるので。それでついていけなくなって、みんな買わなくなったっていうのが真実。そうすると趣味っていうピラミッドがあって、最先端最軽量のものが一番頂点にあるんだけど、そこだけがガーンと上がっていったかのように見えたのが、真ん中のエリアがすごくいなくなって空洞化している。次売れるのはめちゃくちゃ安い、品質もちょっとどうなのっていうような、使い捨てっぽい見た目だけマウンテンバイクみたいな自転車。それが売れ始めたら真ん中が空洞化して、本当にちょうどいいものっていうのが売れなくなる。本当にちょうどいいものが欲しいのにどこにもないっていうことになってくると、業界が多分縮小していくっていうのが僕が見ている自転車業界です。なので、最終的に僕はママチャリメーカーになったらいいと思っている。ママチャリってすごい発明で、海外のフレームビルダーもみんなママチャリに結構注目している。かごがあって泥除けが付いていてしかもフル泥除けでね。スタンドが付いてるなんてめっちゃ便利じゃんと。それで結局オランダなんかはママチャリ多いですし。ママチャリが悪い訳ではなくて、ママチャリを変に安く作りすぎている。

赤松:そうですよね。1万円のママチャリは違うんですよね。

服部:はい。3万円のママチャリが良くて、やっぱり1万円以下のは明らかに良くない。一応僕らも趣味のものを作る。持ってて嬉しいものを作るので、うちがママチャリメーカーになるとしたらまあ、本当に完成車で15万くらい達成できたらいいですね。そういうのがやれたら面白いなあと思うし、雇用もうめるし。

赤松:ママチャリをやりたいフレームビルダーさんって結構斬新な感じがします。

服部:いやあ、たいした・・・全然全然・・・

赤松:いや、いいと思います。

服部:割と商売人路線でもある。本当に思うのがみんなだって奥さんの目を盗んで自転車に乗りにいく人たちが多数なので、奥さんも乗って意外と面白いんだなあと思えるようなものになって欲しいですよね。また女性が入ってこないような趣味はどうしても先細りしてしまう。という風に僕が言ってもこんな8畳半の作業場では何もできないんで(笑)。

赤松:でも段々大きくなって。

服部:そうですね。ちょっとずつがんばります。本当に。また何かあれば。

赤松:ありがとうございます。

(省略)

パイプについて

藤吉:パイプはどういうところで買うんですか?

服部:これはメーカーの代理店さんがいろいろあって、自転車好きな人は一回は聞いたことあるだろうっていうのがCOLUMBUSっていうメーカーさんとか。あと日本だとカイセイさんとかREYNOLDSさんとか。オーダーメイドなのでいろんなメーカーさんといろんなパイプの直径と肉厚があるんですよ。一点ものの場合はその方の用途に合わせて、トップチューブにはREYNOLDS、ダウンチューブにはCOLUMBUSってミックスできる。ただ大きいメーカーさんは、COLUMBUSに何々を100台分頼むと安くなるから全部がCOLUMBUSになるんです。我々は一点ものなので、お客さんの体型や用途だとか車種によってmここを0.何ミリ0.何ミリ0.何ミリのダブルバケットにしようとかミックスします。その代わりいろんなところから仕入れなければならないので、材料代がちょっと高くなってしまう。まあその人だけのオンリーワンの自転車はオーダーメイドの醍醐味ですから、そういうところを。うちだと(聞き取り不能)。いろんなところでとってそういうのをミックスする。

藤吉:(聞き取り不能)厚さが違う?

服部:そうですね。ラインナップがちょっとずつ違って、この外径とこのバテッドですね。ダブルバテッドっていって、ここの部分とここの部分はちょっと分厚い。真ん中は薄い。この部分は強度が必要ですから。そういうパイプ。特殊なので自転車用にしか作られてないみたいです。なので面白いんですけど、うちの在庫の中を見るとちゃんと段差がついているのがわかる。厚さが変わっているところがよくわかるんですけど。これライトに向かってこうやってみてると、段々ラインがあるところが見える。くるくると転がしてみるとね。

藤吉:急に光が変わる場所がありますね。

服部:変わる場所がありますよね。そこが厚みが変わっているところですね。

藤吉:(聞き取り不能)

服部:そうですね。

藤吉:軽量化のためですか?

服部:そうです。軽くするというのもあります。やっぱり安いママチャリとかにはダブルバケットではなくて、全部同じというのもあったりする。ただ逆にそれが悪いわけではなくて、ママチャリっていうのは荷物積んだりとか、使い方がロードじゃないので荒かったりするから、ママチャリにダブルバテットを使っちゃったりすると、逆にへこみやすかったりとか、壊れるきっかけになっちゃったりとかする。我々は中にこうやって棒入れて、そこの変化しているところを見て、外にマーキングして、この人体重何キロだからこっちにずらすなどの調整をしますね。作ってる時間は楽しいんですけど、仕事なので早く作らないといけないし、納期もあるし(笑)。なかなか難しい仕事です。

 

フレームビルダーに向いている人とは

赤松:この仕事に向く人ってどういう人ですか?手先が器用とか?

服部:僕なんて4年経った若手なので、秘訣なんて今調子こいて言って来年倒産したら笑えるんですけど(笑)、持続性が持てる人ですね。それはやはりお金もそうですし、フレームを作って話題になってアーティストみたいになって1本40万でも50万でも注文で入るようになるんだけど、突然自転車作るの辞めて旅に出る人とかいるんですよ。もう嫌になっちゃうんです。アートすぎて。また帰ってきたと思ったら木工の職人になるって言って、自転車作るのをすっかり辞めるとか。だからどこかで折り合いをつけないといけない。僕らがやるのは、自転車っていうのは純粋に言うと工業製品でもあるけど、やはりハンドメイドでつくられる自転車だとアートの要素もあるから、この間を行ったり来たりするんです。それは結構お客さんに合わせて行ったり来たりすることもあるし、自分の経営に合わせて行ったり来たりすることもあると思います。だから大事なのはバランスじゃないですか。突出したものを作っているけど、帳面を全く経営者としてつけないっていう人でも、アーティストとしてちゃんと成立するっていうほど今日本は景気が良くないから。バブルの頃とかは変なの作ればとりあえず変なの、面白いもの作って、お金持ちの人にパイプがあれば作れるんだろうけど、今はなかなか資金調達が難しいですからね。そういう意味でバランス、持続性じゃないかなと思います。あとは出来る限りシンプルにしたい。物事はね。

 

クラウドファンディングは向いていない

赤松講演に来てた人とかもそうなんですけど、クラウドファンディングで何百万も集めて、サイクルステーション作ったんです。

服部:ブラッキーさんね(ブラッキー中島氏)。有名ですからね。僕らの業界でも全然有名な方ですからね。昔っから子供の自転車教室やられてて。あれはすごい大事ですよね。子供っていうのが一番大事ですから。

赤松:だからクラウドファンディングとかそういうやり方もあるのかなと。やはり自転車好きな人はめっちゃいるけど、全国に散らばっていると言うか、全国の人を集めると結構な数になるけど、周りだけ見ると少ない。

服部:そうですね。ちらほらしかいないですからね。

赤松:だから、逆にクラウドファンディング的なものが合うのではないですか。

服部:そうですね。うちもクラウドファンディングでアウトプットしたいものが思い浮かぶといいんですけど、自転車のフレームっていう車体自体がどうしても向いていない。なので、これから色々名古屋にさっき言ったSimWorksさんとかビジネスパートナーがいるので、自転車のフレーム以外の用品、ちょっとしたキャリアだとかいろんなボトルケージとかそういうようなものをメイドインジャパンというか、メイドイン愛知で作っていくと面白いかなと。逆に言うとそのボトルケージとかをもし作るための治具、これフレームを作るための治具なんですけど、こういうようなボトルケージをこうやって順々に入れて手でこうやって曲げていけば最後ボトルケージの形になってて、最後のところを溶接でチョンってやればボトルケージができるみたいな治具を50万で作りたいですって言って、クラウドファンディングに入れてくれた人に対してはボトルケージ1本サービスであげますよっていう風なのは面白いですよね。車体っていろんな人の感情がすごい入ってくる。この色じゃないといけないとか、サイズもありますし。クラウドファンディングは僕みんなの希望を背負ってこう・・・はあー逃げ場がなくなるーっていうところがあって。ビビりなので(笑)。まあ出来る限り銀行から借りて自分の責任でやる方がまだ気が楽かなと。なので大きい工場とかをクラウドファンディングしちゃうと怖いけど、さっき言ったようなちょっとしたアイディア商品とかを作るためのものなら面白いかなと思います。僕はそこはノミの心臓なので考えちゃうんです。クラウドファンディングって面白いなあと思うんですけど結構・・・ブラッキーさんどうやってアレされたかわからないですけど、クラウドファンディングする人って実は始める時点で目標金額持ってるっていう話があって。

赤松:そうでしょうね。

服部:よくみんなそのレベルに達しない人が多いっていうので。自転車業界なんて特にお金持ってないから。

赤松:資金調達っていう面もあるし、顧客確保とか広報とかいう性格が強いですね。

服部:そうですね。だから僕の自転車関係の知り合いも、まちづくりの一環かな。東京に自分らのサイクルステーションみたいな、マウンテンバイク界隈の人なんですけどやり始めてて。クラウドファンディングしてたけど、あの人ちゃんと元手あったのかな最初からっていう感じらしいです。あの人だからなあ、みたいな。なので結構僕も含めて良い黒加減な奴が多いんでこの業界は(笑)。だから元手を持ってその金額をちゃんと持ってクラウドファンディング始めないと絶対途中で多分資金繰りがショートしちゃう。なのでうち治具代最初持っとかなきゃな、と。そういうのはこれからまだまだ勉強していかなければならない。でも楽しそうですよね、クラウドファンディングって。いいものができると。この間できたKnogのベルなんかもそうですし。あれなんかデザインいいですよね。久しぶりに感心しました。どんどん売れているみたいですし、友人のショップなんかも。もう入荷が追いつかない生産が追いつかなくて。

赤松:世界規模ですもんね。

服部:ねえ。すごいなーと思って。うちの自転車もアメリカに売れたらいいのに(笑)。

(省略)

赤松:それでは、引き続きよろしくお願いします。

服部:こちらこそよろしくお願いします。

赤松:また遊びに来ます。ありがとうございました。

服部:ありがとうございました。

 

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