黒沢清の映画『勝手にしやがれ』シリーズの続編の続編に位置づけられる『蛇の道』(1998年)も相変わらず哀川翔が主役だ。シリーズと書いたが、すこしだけ設定が似ていて、哀川が主役であるということしか共通点はない。もっとも「し
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クリティカル・サイクリング
黒沢清の映画『勝手にしやがれ』シリーズの続編の続編に位置づけられる『蛇の道』(1998年)も相変わらず哀川翔が主役だ。シリーズと書いたが、すこしだけ設定が似ていて、哀川が主役であるということしか共通点はない。もっとも「し
Read more「市場のそばに貸自転車がある。君が眼をさましたら、二台借りて乗りに行こうじゃないか。ブーシフのまわりは、だいたい平地なんだ」 なぜか理由はわからなかったが、この提案は何となく彼女の心をひいた。 「すてきね!」と彼女は言っ
Read more自転車という言葉の魅力は、「自ら」という点にあるような気がする。別に日本語独自というわけでもないと思うのだが、「Bicycle」という単語には強調されていないことだが、映画の中である種の自由の表象として示されるときには、
Read moreフランスの映画監督・俳優のジャック・タチ、その長編映画第一作「のんき大将脱線の巻」(1947年制作、1949年公開)は、全編に渡って自転車が重要なモチーフになっている。何しろタチ自身が演じる主人公フランソワは自転車に乗っ
Read more横尾忠則が画題にするY字路のような、谷中にあるみかどパンの杉の木を正面から捉え、右側の道の奥から、吉行耕作(前田耕陽)のママチャリが、姿勢を低く疾走してくる。「ゆーさーん、ゆーさーん、やばいっすよー」と絶叫し、みかどパン
Read moreそういえば、と思い出して、久しぶりに、河瀬直美『沙羅双樹』(2003年)を見直す。作品前半、主人公の高校生ふたりが奈良町の路地を走るシーンだ。 高校の美術部で、俊が夕をモデルにデッサンするシーンから切り替わる。すこし
Read moreメディア・アーティストの藤幡正樹は、自転車の乗り方をテキスト化することの困難さを、あるエッセイに書いている。一瞬「そうかな?」と思わなくも無い。実際、「ハンドルを握り、サドルに座り,ペダルを漕ぐと自転車は動きます」と書け
Read more自転車を盗む、あるいは盗まれることを題材とした映画を3つ紹介する。自動車泥棒もあるが、自転車泥棒は遥かに身近だ。なにしろ、日本国内の盗難件数は自動車が1万件に対して自転車は20万件と20倍もある。自転車泥棒はカジュアル犯
Read moreモンティ・パイソン(Monty Python)は、ブラックでシニカルな大英帝国ジョークを連発するイギリスのコメディ・グループ。1969年のBBCテレビ番組「空飛ぶモンティ・パイソン」が大人気となり、後世に大きな影響を与え
Read moreフランスのアニメーション映画「ベルヴィル・ランデブー」は2002年のシルヴァン・ショメ監督作品。自転車を巡る奇妙で奇怪な物語。自転車で疾走する爽快さやレースの駆け引きといった有りがちな要素は皆無。精緻な背景美術と極端にデ
Read more近年に制作された少女(または女性)と自転車をめぐる映画を3本を紹介する。必ずしも対比的に選んだわけではない。そもそも自転車の映画は少ないし、その中でも女性が主役である映画となると、さらに限られる。ざっと調べてみても、ロー
Read more忌野清志郎の「自転車ショー歌」は、ロード・レースを舞台にしたアニメーション映画「茄子 アンダルシアの夏」(2003年)の主題歌。これは小林旭の「自動車ショー歌」の替え歌で、どちらの歌詞も演歌の巨匠、星野哲郎による渾身のダ
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