5月 自然と共にロードバイクで走る人を自転車家と名付けて、一年を通じた道路上での自転車家の姿書き綴ってきた。その一年間をペダリングに例えるならば、今日はクランクの上死点だ。 自転車を漕いでいるときにペダルに乗った足が一
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クリティカル・サイクリング
5月 自然と共にロードバイクで走る人を自転車家と名付けて、一年を通じた道路上での自転車家の姿書き綴ってきた。その一年間をペダリングに例えるならば、今日はクランクの上死点だ。 自転車を漕いでいるときにペダルに乗った足が一
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2020年4月19日 フィールドノート 前日の夜に降った雨は朝方には降り止んでいた。路面はまだ乾いていないので、空気はひんやりとしているが体感気温は低くはない。クロモリフレームのロードバイクを部屋から出し、出発前に空気圧
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3月 彼岸にあたる3月は冬から春に季節が移り変わる。自転車家の「彼岸」とは、ごくごく素朴なことでしかない。自転車に乗るか、乗らないか、だ。 実は、自転車家になるには特別難しい段取りなどはない。春の陽気に誘われて自転車に乗
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2月 自転車家は寒がりだ。正しく言い直すならば、自転車家は寒くて嫌だと思うことを素直に嫌だと認めて、イヤだと言いがちだ。自転車家には寒波に耐える強靭な肉体とか精神が備わっているとは限らない。 1年の周期の中では、この時期
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1996年、私は引っ越しの荷物を乗せた父親の自動車の助手席に座って、京都への道のりを進んでいた。しかし、この時に車窓から見た風景をほとんど覚えていないのだ。 この時に通ったルートは「有馬道」と呼ばれている。風景を覚えてい
Read moreシングルスピードの文化は、アメリカ・ニューヨークのメッセンジャー達が配達のために使用していた競技用自転車(これらは競技場の呼称から「ピスト」とも呼ばれていた)に着火点があると言われている。「もともと自転車には変速ギアはな
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11月 自転車家には2種類だけが存在する。紅葉を見届けるためにサイクリングに出向いて、自分の愛車と赤や黄色に染まった樹々との記念写真を撮り終えると春になるまでの休息に入るか、防寒のためにウェアや用具を買い足し、真冬の風に
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10月10月の週末には、さまざまな用事が立て込んでいる自転車家も多いことだろう。のんびりゆっくりと散策するようにサイクリングしたり、焼きたてのパンを買って行くあても決めないままに走り、何処ということもなく腰をおろしたらそ
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自転車家たちがよく使うジョークとして「フレームからパーツが生えてきた」というフレーズがある。多くの場合それは「知らない間にあなたの自転車には変化が起こっているようだ、そのための原資はどこからきたのか」という趣旨で隣人から
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気候と共に歩む自転車家にとって「8月は夏」というのは暦の上でのことだ。今我々がつかっている暦もあれば、今は使われていない昔の暦もある。様々な暦が世界中で作られて使われてきたが、それらはすべて周期(サイクル)をもった何らか
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7月 7月にもなると、これまでの季節に自転車に乗っていたことの積み重ねによって、自転車家の身体が自転車に乗るために耕され、しなやかになり、いろいろな部分がいい感じになってきている頃である。いい感じとはどういうことかという
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6月 近年、梅雨入りや梅雨明けというステートメント(声明)が、何を指し示しているのかが判然としない。「梅雨入りしました」と聞いても雨の日が続くというわけでもなく、夏真っ盛りのような青空と暑い気温に加え高い湿度と落差の激し
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