アメリカ南西部を巡るFSDの旅はホンモノの自動運転を体験したいからであった。そこで利用したのはカー・シェアリングのTURO。これは個人所有のクルマを借りるP2Pサービスで、言わばAirBnBのクルマ版。実際にもAirBnBによく似たサービスが提供されている。ただ、日本では展開されておらず、日本語の自動翻訳機能はない。クルマ関係は和製英語が多いことにも注意が必要。
具体的な手順としては、TUROでレンタルしたい場所と開始日時、終了日時を設定する。これで利用できる車両が一覧表示される。フィルタを使えばメーカーや車種などを絞り込める。今回はモデルY(Juniper)一択。ただし、FSDを指定するオプションはない。公式APIやMCPもないので、Claude in ChromeなどWEBサイトを操作できるAIエージェントを使おう。
レンタルしたい車両が見つかればユーザ登録を行い、国際運転免許証やクレジット・カードなどを登録する。必要があればTURO内メッセージを使ってオーナーに詳細を確認すると良いだろう。今回の場合は、砂利道など未舗装道路を走行する可能性があることや、FSDを使って走行したいことを伝えておいた。特に問題がなければレンタルを申し込む。同行する友人も運転者に登録しておいた。
当日は指定時刻に指定場所に向かう。夕闇の住宅街の一角にモデルYが佇んでいる。本人確認のためにクルマの前で撮影した自撮り写真をTUROアプリで送る。これでオーナーからドライバーとして招待され、Teslaアプリにキーが追加される。さらに車両や車内を十数枚撮影してTUROアプリで送る。これは現況確認であり、車両保険適用の条件になる。都合10分ほどで運転を始めることができた。
こうしてレンタルしたモデルYは普段と何ら変わりなく利用できる。いや、左ハンドルだし、FSDだから大違いではあるものの、まるでマイカー気分でリラックスして利用できる。レンタル期間中はトラブルがなければTUROにもオーナーにも連絡を取る必要はない。友人にもキーが発行されるので、どちらが運転しても構わない。筆者は運転嫌いなので、大半は友人が運転席に座ってくれた。感謝。
こうして足掛け10日間の旅を快適に終えることができた。荒野を走り続けたので車体は随分と土埃りで汚れている。規約では洗車機で洗い落とせる程度の汚れはそのままで構わない。それでも丁寧に清掃したのは日本人のサガかもしれない。最後に返却場所にクルマを停め、車両の内外を撮影してTUROに送る。そして完了ボタンをタップしてレンタルを終える。オーナーとはついぞ顔を合わせることはなかった。
今回のレンタル費用はスーパーチャージャー代金を含めてUS$1,212.18(約193,000円)。狂乱物価のアメリカでの費用を最弱通貨の日本円に換算して考えると、これが安いのか高いのかは判断しにくい。あらゆるものが高いので、次第に価値観が麻痺してくるからだ。ただ、簡単にレンタルして自由気ままにFSDの旅ができたのだから、出費が嵩んだとしても満足度は高い。
ちなみに、Hertzなどのレンタル会社はテスラ車を扱っていてもFSD付きではない。テスラの公式FSD付き車両レンタルはサン・ディエゴと コスタ・メサに限られる。それ以外はTURO一択になる。次はFSD付きのサイバートラックをレンタルしてみたい。随分大きなモデルYが慎ましく感じるほど、アメリカ西部では大きなクルマが多いからだ。この装甲車はモニュメント・バレーの荒地だって余裕で走破するだろう。
ところで、クリティカル・サイクリングで何故にカー・シェアリングの話題かと言えば、クルマは自転車の周辺機器に他ならないからだ。と言う戯言は前にも聞いたかもしれない。別の口上としては、類似したP2P自転車シェアリングのSpinlisterが事業停止になっているからだ。AirBnBほどではないものの、TUROの収支は黒字で成長している。自転車と自動車のシェアリング、何が明暗を分けているのだろう。








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