快楽原則 15: QuantumReader

先日、iPhone/iPad用のアプリQuantumReaderをApp Storeで公開した。画面の上部にカメラ映像が表示されるので、カメラをQRコードやバーコードにかざす。その内容がURLであればWEBサイトを表示し、テキストならWEB検索の結果を表示する。画面に触れることなく、次々と表示が切り替わるのは快楽極まりない。QRコードが多く掲載されているパンレットなどでは、とても手軽で便利だと思う。

これは以前に作成したプロトタイプをブラシュ・アップしたものだ。少し調べた範囲では同様のツールがなかったこともあり、ユーザ・インターフェースを整え、安定性を高めて一般公開した次第。さらに来年3月に開催されるクリティカル・サイクリング展でも利用する。これまでの全記事をインデックス化して展示するからだ。これも以前のBike Cardのアップデートだ。

クリティカル・サイクリング展の展示プラン(ラフ・スケッチ)

QuantumReaderを開発しながら思いついたのは、読み取ったQRコードによって開かれるWEBページにQRコードがあること。そのQRコードを別のQuantumReaderで読み取り、そこにもQRコードがある。これを繰り返せば、延々と表示が変化することになる。そこで2台のiPadを向かい合わせてクリティカル・サイクリングの記事を表示した。これで光学的な無限ループが生まれる。

その間欠的な遣り取りは静かな対話のように感じられる。そこでこれを「釈迦と舎利弗の対話」と名付け、展覧会で展示すべく改良を続けている。ちなみに、釈迦(シャカ)は仏教を開き、仏陀(ブッダ)と称せられた。舎利弗(シャーリプトラ)は一番弟子として、釈迦と多くの対話を行っている。もっとも、クリティカル・サイクリングは経典ではない。

なお、このQuantumReaderではフロント・カメラを用いている。さらにクリティカル・サイクリングでは特別なページを作り、ランダムに選んだ記事をスクロールで表示している。その末尾にはQRコードがあるので、スクロールが終わると向かい合うiPadが別の記事を表示する。このようにして2台のiPadは、いや、釈迦と舎利弗は交互にクリティカル・サイクリングの記事を示し合っている。

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です