都心を走っていて困るのが「駐輪場」。ちょっとした用事で停めて出かけたい時はもちろん、輪行で訪れた先でちょっとどこかに停めて出かけたいというニーズもあるだろう。そんな「ちょっと」だけ停めたい都市サイクリストにとって止まり木のような場所―都心の駐輪場事情を探ってみた。
ターミナル駅周辺〜東京駅
いたるところにあるように見えて、場所がわかりにくかったり、月極契約が必要だったりと意外にハードルが高い。ここでは「都心」で「スポットで借りられるところ」を探した。まずは直球の都心で「東京駅」。

東京駅八重洲口直結の地下駐輪場「八重洲二丁目地下駐輪場」―ここは、中央区立の公共駐輪場と施設用駐輪場が併設されている。公共は一時利用のみで290台収容。商業施設「東京ミッドタウン八重洲」の地下にある。外からは専用のエレベーターで出入りするが、中の歩行者用出入口は、八重洲地下街(ヤエチカ)と直結している。料金は2時間まで無料(以降8時間ごと100円)とのことで利用しやすい料金設定だ。

東京駅まで輪行して、ここに停めて、ちょっとヤエチカで食事してなんて使い方もできるかもしれない。ただし、激混みの東京駅地下街を輪行袋を担いで行くには遠く、場所もわかりにくい。一旦とにかく外に出て自転車を組み立てて、外から向かうのがよさそうだ。

筆者が訪れたのは日曜日の午後だったが、利用者はまばらだった。2022年11月オープンとのことなので、施設自体もまだ比較的新しく、張り紙なども少ない。使い勝手はよさそうであるが、一方、この場所でどこまで利用ニーズがあるのか、その点は未知数である(穴場ではある)。
繁華街の駐輪場〜渋谷
再開発も目まぐるしい渋谷駅周辺から、「渋谷駅東口地下自転車駐輪場」を訪ねてみた。このあたりは数年前は違う風景だったし、数年後も違う風景なのだろう。「渋谷駅東口地下自転車駐輪場」は、飲食店やホテル、オフィスからなる高層ビル「渋谷ストリーム」のふもとにある。

一時利用収容台数135台。料金は6時間ごとに100円。「東急・メトロ渋谷駅直結」というのがウリである(JR渋谷駅からは徒歩1分というのが渋谷駅の迷宮っぷりを表している)。ここには「ドコモ・バイクシェア」、「LUUP」のポートもあるので、電車で来てここでシェアサイクルを借りて街に出るといった使い方も多いのだろう。

駐輪場としては「チャイルドシート付自転車優先」エリアもあるなど、比較的広い敷地を活かし多様な自転車に対応している。実際にフードデリバリー仕様の自転車や、高級ロードバイクまでさまざまな車種が停められていた。なお、運営保守会社のサイトによると、ここは2019駐輪場グランプリ「BICYCLE PARKING OF THE YEAR」で優秀賞を受賞しているそう(駐輪場グランプリなるものがあることを初めて知った)。

さて、前出の「八重洲二丁目地下駐輪場」と駐輪場としてのスペックは同等だが、大きく異なるのが「張り紙」である。
「飲食禁止」「寝るの禁止」「モラルに反する行為禁止」など駐輪場らしからぬ注意書きが並ぶ。「モラルに反する行為」とは「服を着替える等」に対する苦情から来ているようだが、ハロウィン仮装の着替え対策がきっかけだろうか(渋谷ぽい)。ほかには「メンテナンス禁止(オイルが床に散乱したらしい)」や「いたずら注意(パンクさせられる)」の張り紙もある。”場所柄”と言ってしまえばそれまでだが、若干の緊張感は強いられる。


いずれも場所はわかりにくい
都内にはこういった「駅近」「有人管理」の駐輪場が点在している。ただ、上記ほんの2カ所まわっただけの感想になるが、いずれも場所はわかりにくい。また、エリアによって(あえて言う)治安も異なる。特にスポット利用では事前確認が必須である。主な地図サービスでは、場所はもちろん施設概要の他に実際の利用者のクチコミも載っているので大いに参考になるだろう。

私も自転車をレンタルして走り回っていて、お店に入ろうとしてハタと困る時があります。Googleマップで探しても近くにないこともあって…ミッドタウンは六本木も使いやすかったですね。
コメントありがとうございます!六本木ミッドタウンの駐輪場は、入口の隣に交番があるのでなんとなく安心感もありますね(ただ付近路上のLUUP、ファットバイク型アシスト車率が高く、走るときにちょっと緊張します…)。