テスラ(TESLA)のモデルY(Model Y)に念願の自転車用リア・キャリアを取り付けた。日本では純正のトゥ・パッケージが未発売ながら、知人に教えられたGarageXなるテスラ専門店は「できますよ」と心強い返事。早速お願いしたところ、アメリカから商品の取り寄せに2週間、取り付けに2時間で完了。簡単な作業かと思いきや、クルマの後部をすべて剥がす大工事だった。

取り付けていただいたのは車体の受け口となるヒッチ・レシーバ。純正品のレプリカとのことで取付工賃を含めて88,000円。これにYAKIMAのトレー型ラックTwoTimerを組み合わせる。ロック付きのボルトで固定するので、不要時にはキャリアを取り外しても良い。他にも2インチ角レシーバの製品なら取り付け可能。この自由度は嬉しい。ただ、キャリアが重たいので取り外しや取り付けは手間がかかる。
ともあれ、これで自転車を手軽に載せることができる。ルーフ・キャリアでは辟易する重たい電動アシスト自転車でも少し持ち上げるだけで済む。これぞ快楽原則だ。自転車の固定も中央のアームをフレームまで下げ、車輪をストラップで締るだけ。慣れれば1分で済む。ところが、1台ならともかく、2台の自転車を載せるとナンバー・プレートが見えにくくなる。これでは道路運送車両法違反になりかねない。
そこでナンバー・プレートをキャリアに移すことにした。ただし、左側のボルトは封印されているので、プレートを付け替えた後に再度封印する必要があるらしい。このような処置の情報は少なく、所管である地方運輸局(陸運局)に電話で尋ねても要領を得ない。そこで部品や工具一式を携えて現地に向かう。事前にキャリアに210mm間隔で6mmの穴を2つ開けておいた。
地方運輸局での窓口案内も心許ないものの、当該部署での対応は的確で明快。再封印請求書に必要事項を記入して車検証とともに提出。そして封緘(ふうかん、封印の台座)を80円で購入して受け取れば手続き完了。クルマに戻ってナンバー・プレートを外し、新しい封緘を使ってキャリアにボルト留めする。意外なほどに取り外しも取り付けも簡単。これでは少なからず盗難があるのも頷ける。
次に封印場にクルマで移動。ここで書類を渡せば係員が自動車登録番号(ナンバー・プレートの番号)と車台番号(車両に刻印する識別番号)を確認した上で再封印が行われる。これもあっけないほど簡単。もっともテスラの車台番号は特殊とのことで、二人がかりで探すのに苦労されていた。筆者のモデルY(上海ギガファクトリー製)は運転席のカーペット下にあった。
このようにして取り付けたナンバー・プレートは中央配置ができず、地面に近い位置になった。これは少なからず違和感がある。元々ナンバー・プレートがあった箇所の虚無感も半端ない。だから、その元凶である封印を廃止して欲しい。物理的に真正性を担保しなくても、画像認識とデータ・ベース照合で済むはずだ。80年近く前の手法が未だに幅を利かせているのは、此の国の悲惨な状況を象徴している。