昨年から、自転車での手回り品の運搬にバックパックを積極利用している。ロードバイク(ディングルスピード仕様)を普段使いするようになったのが主な理由だ。背中部分に隙間があって風が抜けるモデルは、暑い夏でもある程度までは快適に利用できる。ごく当たり前の話だけれど、実際かなり良いことを再確認したのでメモしておく。

今メインで使っているのはDeuterのRace Air 14+3。昨年の夏にRace Air 10を購入し、以来ずっとお世話になってきた。上着などの収納にちょっと容量不足を感じることがあったのと、カタログを見直して重量差がわずか80グラムだと気づいたので大きい方を追加した。「14+3」はジッパーで14リットルから17リットルへ拡張できるという意味。荷物の量に応じて、揺れを抑えつつスペースを調整できる。

本体を身体に密着させず、かつ安定させるメッシュパネルはハイキング用のパックでもちらほら採用されている。ただ、20リットルに満たない(比較的)小容量のモデルは珍しいと思う。モンベルからもかつて似た製品が出ていて、そちらも愛用していた。しばらくこのタイプのものを使っていなかったので「バックパック=背中がすぐ熱くなる」とのイメージが自分の中で固着していたのだが、Race Air 10を買ってみて、夏場でも普通のバックパックとは快適性が別物だと認識を再更新することになった。

Race AirはA4サイズのモバイルPCも収納可能なメイン気室とフロントのサブ気室、右脇の下のスマホポケット(とされるもの)、左右のメッシュポケットという構成。チェストストラップ(常用)とヒップストラップ(普段は使ってない)も用意されているので、身体の動きとの一体度は高い。ヘルメットホルダーとレインカバーも標準装備で、底の部分に格納されている。革新的なところは特にないものの、普通によくできたパックといえる。

Race Airは日常の移動でも重宝するし、旅にもいい。バイクパッキングに出かける際のセットアップも、バックパックを積極活用するようになってまた少し変わった。人間にとって必須の荷物は背負い、それ以外を車体に積めば、手ぶら状態から担ぎのためにモードチェンジする時間も要らないし、自転車を置いて歩く場合もシームレスだ。そうしたシーンを想定しない行程であれば、人間側を軽くする方がやっぱり好きだけれど。もちろん軽量なロードバイクだと車体への積載による挙動の変化が大きいので、何を重視するかで選べばよいだろう。

主な荷物をそこにまとめて携行できる、運用のシンプルさ。自転車の置き場所がどこでも関係ない。バックパック、すごく普通だけどやっぱりいいね。