先日、ようやく自宅に3Dプリンタを導入した。これを機に、自転車建築キットの成形を3Dプリンタで行い、より品質の高いプロダクト化を進めることにした。
以前の自転車建築キットには、組み立ての煩雑さ、スマホの固定方法、撮影できる空間が一種類に限られていることなど、いくつかの課題があった。これらを改善し、「道具」としての使い勝手を追求、誰でも容易に自転車建築を体験できるプロダクトの生産を目指す。
まず、組み立ての煩雑さについては、3Dプリンタによる一体成形により、従来のボール紙のペーパークラフト的な組み立て作業は不要になった。複数の部品を接着剤で組み立てるという手間を省くことができる。
また、撮影できる空間が一種類に限られていた点については、スマホを固定するパーツと、建築的空間を形づくるパーツの二つに構成を分けることで、異なる空間形状のパーツを3Dプリンタで出力し、自由に交換できる仕組みにした。

スマホの固定パーツについては、既製品のスマホホルダーの機構を参考に設計した。従来のゴムではなく、より安心・安全にスマホを保持できる構造になった。

現段階では既製品の部品を組み合わせたキメラ的な見た目となっているが、今後はすべてのパーツを3Dプリンタ出力し、プロダクトとして適した形状へと洗練させていく。

これにより、これまで空間形状の検討のたびにボール紙をカットし、スプレー塗装を施し、手作業で組み立てていた模型制作の作業も、キットを利用することで大きく効率化できると考えている。思いついた空間を手軽に成形し、試走できるので、制作と検討のサイクルをよりスムーズに回せるようになるはずだ。