カーボンロードバイクをシングルスピード化して乗る

2024年の終わりくらいにカーボンフレーム(&フォーク)のロードバイクを譲り受け、これをシングルスピード仕様にして乗っているのでそのメモを記しておきたい。シンプルかつ軽快に、絶対的な速さは求めず自由に走りたい人には参考になると思う。

うちに転がり込んできたベース車はVitusのZenium(たぶん2020年モデル)。安定感と乗り心地を重視しつつ、スポーツ的な切れ味もあるバランス型、みたいなことがサイトには書かれている。ジオメトリー的にも、また実際に乗ってみてもそんな感じかなあ、というところ。公称されている最大幅にあたる32mmのタイヤ(グラベルキングSK、チューブ入り運用)をエントリーグレードのホイールに履いた状態でスタートしているので、それゆえの印象もありそう。車体の規格は前後ディスクブレーキ、スルーアクスル(12mm径100/142mm)、ケーブル内装、と、この年代の標準っぽい内容(詳しくない)。シートポストは普通の27.2mm径。

シマノTiagra(4700)コンポでの完成車重量9.6kg(Mサイズ)は重い部類なのかもしれないが、うちはスチールバイクばかりだったのでこれでも感動的。この軽快さを軸にして、普段着での日常利用~輪行も積極的に組み合わせての探索、といういつもの自分の用途に寄せたカスタマイズを施した。シングルスピードにしたのは、軽さと気楽さを両立でき、組み上げや維持管理の面でも手っ取り早いから。パーツが少なく単純であれば、壊れにくい&状態を把握しやすいし、コンポーネント市場の潮流に巻き込まれ・振り回されない自由も得られる。大きな意味で自由である、縛られない、というのはすごく価値のあることだ。

現在のギア比は前41T/後18T≒2.28。スチールのディングルスピードロードバイク(26Cタイヤ)で使っている42T/18T≒2.33を参考に、手持ちの部品で組めるセッティングを探した。武蔵野台地の下から上へ登るのに、自分にとってはこの辺が過不足ないくらいの比率になる。チェーンはリアディレイラーの代わりにテンショナーを入れて張っている。エキセントリックBBも検討したが、プレスフィット(PF30)のフレームとの相性が悪いこともあってやめた。ディングルスピード仕様にする場合も(軽いセットは38T/21T≒1.81あたりが良さそう)、モードチェンジの際にチェーンを緩めるのが面倒なスルーアクスルの車体にはテンショナー利用のメリットが大きい。

変速機が無くなるのでレバーもブレーキのみのもの(TRP RRL SR)を入れ、ブレーキキャリパーも機械式(Growtac Equalフラットマウント)に。後輪ブレーキのフレーム内装ケーブルを通すのは大変だった。ハンドルバーやステム、サドルやシートポストといったポジション関係のパーツは手持ちや中古をとっかえひっかえして落ち着くところを探っている。シングル(やディングル)だとこうやって身体や乗り方に合わせていく作業も楽だ。

前輪のスルーアクスルは輪行を想定してレバー付きにした。スチールのディングル車ではブレーキキャリパーをリリース位置にする→ハブ軸のQRを解除するという2ステップで前輪が外せたが(脱落防止の爪が無い年代のフォーク)、スルーアクスルはグルグル回して一旦すっかり引っこ抜く必要があり、自分の場合は紛失防止のためフォークに戻すのでステップ自体は2段階で変わらず、所要時間は確実に増加となる。ディスクローターのカバーを被せる場合はステップが増える。油圧ディスクではないので、必要なスペーサーを用意し・取り出し・挟む手間がかからない。ここから先はほぼ共通なので(前後輪外しの場合も含め)省略。

スチールディングルと比べると安定感はプラス、やや太いタイヤは走破性の面でもプラス、速さも(求めていないし計測もしていないが)恐らくプラス、クセは良くも悪くも減ってニュートラル。輪行の楽さは手間と軽さの相殺でたぶん総合的にプラス、破損や盗難への気遣いという点ではちょっとマイナス。ルックスは細いスチールのホリゾンタルフレームの方が好き。なお荷物を車体に積んだ際の影響は、元が軽いぶんカーボンバイクの方が顕著なようだ。

次はチューブをTPUにしてみようかと思っている。ディングル化のためのパーツ収集もじわじわと。

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