IAMAS修了展にてクリティカル・サイクリング主催 赤松正行と映像作家 坂根大悟とトークイベント「なぜ私たちは自らの校舎をディストピアと呼ぶのか」を行なった。
トークの内容は、後日改めてブログでも紹介させていただくが、大垣の開発に大きく関わった立川勇次郎と梶原拓(元岐阜県知事)を取り上げ、大垣の開発史やIAMASの歴史について話をした。
立川勇次郎は、岐阜県大垣市出身の実業家であり、京浜急行電鉄の創業者である。また、東芝の前身である白熱舎の設立に関わり、揖斐川電力(現・イビデン)を創設して初代社長を務めた。さらに、揖斐川電力の資材を桑名へ運搬するために養老鉄道を建設し、戦前の段階で現在の新幹線を思わせる高速鉄道の構想を持っていた。
一方、梶原拓は岐阜県知事として、ソフトピアジャパン一帯をシリコンバレーのようにIT産業の拠点として発展させる構想を抱いた。IAMASの開学にも関わっている。養老の地に「養老天命反転地」を創設したのも彼の県知事時代の仕事だ。両名とも、大垣の遥か先の未来を見据えながら、その発展に尽力していたことが伺える。
トークの翌日には自転車に乗って養老へ行き、街の外れからソフトピアジャパンセンタービルが見えるエッジ(境界)を探りつつ、トークで話したトピックの考察を現地で深めることが出来た。

今回のイベントで一つ残念なことがあった。それは参加者が乗車した自転車によるソフトピアジャパンセンターの車止めの破損である。


徐行程度のスピードで走行していた自転車の車輪が石の塊を破壊できるのかという疑問は残るが、自転車に乗っていた参加者は怪我を負い、乗車していた自転車のフレームにも傷がついた。事故後、速やかに傷の手当てを行い、IAMAS事務局を通じてソフトピアジャパンセンタービル事務局へ状況を報告した。
本事故は、イベント終了後に起こった参加者の不注意によるものではあるが、いくつかの反省点がある。現場検証時に警察を呼ばず、関係者のみで確認を行ったこと。イベント主催側で事故対応する人間が明確でなかったこと(トークを主催した私が責任者なのか、告知文に「クリティカル・サイクリングと運動体設計の共催」とあるが、その主催者ないしは担当教員なのか)。また、現状ではサイクリング参加時は参加者個人に自転車保険の加入をお願いしているものの、クリティカル・サイクリングとしてイベント保険の加入を検討する余地があったことなどが挙げられる。
負傷された方の回復と、物損事故が適切に解決されることを願うとともに、クリティカル・サイクリングの今後のサイクリングイベントの企画・運営を見直す必要があると考え、本記事を記した。
何より怪我をされた方の一日も早いご回復をお祈りしています。
そして記事での疑問に対して関係者としてコメントします。
まず、記事に記載されているように、今回の事故はイベント終了後なので、イベントとは直接的な関係がありません。ただ、事故があった時には(イベント関係者であるか否かを問わず)近くにいる者が救護にあたることが社会的責務として要請されると思います。今回の事故では近くにいたのが志村さん(当該イベントの企画運営者で、当該記事の執筆者)で、負傷者の応急措置や破損した施設の管理者に連絡したと聞きました。近くにいる者として責務をきちんと果たしたと思います。解散後のことで他に関係者がおらず、大変でしたね。
また、イベント中の事故であれば、実務的にはイベント関係者が事故の対応にあたることになると思います。法的な責任を問われるのはイベント主催者ですが、具体的にはイベントの企画や運営に問題がなかったかが問われると思います。例えば、安全なコースを選定したか、安全に走行できるように配慮したか、といったことですね。これらは同行して体験した範囲では問題なかったと思います。
さらに、当該地域では自転車保険の加入が義務付けられており、今回のイベントの告知でも自転車保険の加入を明記していますね。付け加えるなら、オンラインやコンビニエンス・ストアで即時加入できる自転車保険を案内すれば、尚良かったと思います。