2024年9月20日よりiPhone 16シリーズが発売された。このiPhoneのハードウェアの特徴はカメラ・ボタン、正式にはカメラ・コントロール・ボタンだ。このボタンを軽く押すとカメラ・アプリが起動する。画面がロックされていても、他のアプリが開いていても大丈夫。もう一度ボタンを押せば写真が撮影できる。ボタンの長押しや指を滑らせるなど多彩な操作も用意されている。
このボタンは自転車乗りにとって決定的に重要だ。手袋をしていても手軽に撮影できるからだ。極寒用の分厚い手袋でも問題ないし、片手でも構わない。ポケットに入れたiPhoneを取り出し、カメラ・ボタンを押して素早く撮影。シャッター・チャンスを逃さない。これでカメラとしてiPhoneの欠点が解消された。大型ボタンを備えたグリップが登場すれば鬼に金棒、もはやハードウェア・カメラの出番はない。
これまでカメラの起動は難しかった。ロック画面のカメラ・ボタンは手袋ではタップしにくいし、iPhone 15 Proシリーズから加わったアクション・ボタンは小さく位置が悪かった。Siriによる音声操作は風が強い屋外では難しい。これがiPhoneのエッジ(限界)だったわけだ。ちなみにAndroidの機種によってはカメラ起動をボタンに割り当てができる。
カメラはiPhoneにとって極めて重要だ。それゆえに不様なレンズの突出を許している。ただカメラ用ボタンはなかった。かつてスティーブ・ジョブスはiPhoneを「iPod、Phone、Internet」として宣言した。それゆえに音量ボタンや消音ボタンがある。しかし今や音楽も電話もいち機能に過ぎない。2007年から17年を経て今年2024年、彼はこう宣言するだろう…「Camera、AI、Internet」と。