先日、ドイツを訪れて一番驚いたことはe-Bike用の充電ステーションだった。次に驚いたのはヒッチ・ラックで車両の後部に自転車を積んでいるクルマが多いことだ。これは頻繁に見かける一方で、クルマの屋根に自転車を積むルール・ラックはまるで見かけない。あまりにも見かけないので、ルール・ラックは禁止されているのかと思ったほどだった。
ドイツでは背丈が高く屈強な人が多い。つまり、自転車をクルマの屋根に載せるのは造作ないはずだ。しかし、速度無制限のアウトバーン(Autobahn)を走りながら思い当たった。屋根に乗せた自転車は強い風圧を受け、空気抵抗が増大する。これに対してヒッチ・ラックは空気抵抗は少なく、安心感がある。それゆえにルーフ・ラックは敬遠されるのかもしれない。
ともあれヒッチ・ラックが多い。しかも、支柱で吊り下げるハンギング型よりも、台座に載せるプラットフォーム型が多いようだ。より安定して自転車を搭載できるからだろうか。その台座にはナンバー・プレートとブレーキ・ランプやウィンカー・ランプが付いている。これはヒッチ・ラックや自転車が車両の後部を隠す法令上の問題を回避するためだ。
機能的な問題は、自動運転や障害物検出のためのカメラやセンサーをヒッチ・ラックが遮ることだ。しかし、これもテスラ(Tesla)が欧米で純正のヒッチ・ラックを発売されているので解決されているはずだ。となると、日本で発売されないのは解せない。ドイツでは当然のように何台も通り過ぎるヒッチ・ラック付きのクルマを眺めながら、日本のエッジ(限界)を考えて暗澹たる気持ちになっていた。