信越自然郷を走る (3) 飯山ライド

斑尾高原の翌日は山を下り、飯山駅の信越自然郷アクティビティ・センターで自転車を借りて周辺をライドした。ここは2019年にリニューアルとのことで、清潔で整った施設に充実したラインナップのレンタル自転車が並んでいる。トレッキングや冬のスポーツのレンタルもあり、アパレル販売や周辺情報の提供もある。新幹線駅でもあり、この地域で自然に親しみ身体を動かして遊ぶ拠点になっている。

信越自然郷アクティビティセンター

晴れ間の広がる明るい空の下、レンタルした自転車で走り出す。秋の気配がただよう北信州らしい冷ややかな空気。まずはアクティビティ・センターお奨めのルートを辿る。要所要所の路面には案内の矢印がある。千曲川と北信州の山々を眺めながら、穏やかな風に吹かれてペダルを漕ぐ。当初は市街地で交通量もそれなりにあったが、やがて田園地帯に入れば麗しく爽快なライドとなる。

飯山郊外のライド

途中からは福島棚田小菅神社を回るべくルートを離脱。これは前日の宿で聞いた、観光客が少なく地元の方が好きなスポット。こうなると路面サインや観光サインもなく道を迷いがちになる。Appleマップが助けてくれるものの、道路工事での通行止めまでは分からなかった。ちなみに、福島棚田は急斜面を長く上るので健脚か電動アシストが必要。小菅神社の参道は太いタイヤでも無理(おそらく禁止)。

小菅神社の参道

途中で隠れ家的な庵で信州そばをいただき、楽園感のある北竜湖の湖畔で休憩。そうこうするうちに時間が経ち、野沢温泉や戸狩温泉は断念、千曲川沿いに飯山駅への帰路につく。一般道路でも交通量は多くなく、平坦な道が続き、堤防道路や農道もあって走り易い。川の流れは穏やかで美しいだけに川辺に立ち寄れる場所が少ないのが残念。千曲川に限らないが、親水性の低さは治水と安全優先の結果だろうか。

千曲川と親水スポット

このようにして飯山での一日ライドを終えた。山と川に囲まれ、自然豊かな地は幾通りにも楽しめそうだ。グラベル・パークサイクル・バス、そしてアクティビティ・センターなど自治体が自転車による地域振興に力を入れているのも頼もしい。冬を中心とした斑尾高原では廃墟となった施設が多かっただけに、春、夏、秋と楽しめる自転車は今後ますます注目されるに違いない。

レンタル自転車とサイクル・ステーション

ところで、WEBサイトで紹介されている情報は充実しているものの、専用アプリを使ってコースに沿っていても混乱することがある。スマートフォンを自転車に取り付けていても、適切に情報が得られず、時には煩わしく思うことすらある。ましてや今回のようにコースを離れると途端に困難に陥ってしまう。洗練されたナビゲーション、つまり移動体コンピューティングにはまだまだ課題があるようだ。

JAPAN ECO TRACKアプリ

また、路面サインにJAPAN ECO TRACKと記されていることに違和感があった。これは協議会形式とは言え、主体はモンベルの活動だろう。飯山のアクティビティにも貢献しているようだが、自治体予算の投入も少なくない。それが妥当な事業であるとしても、公道に私的なロゴを刻むのは許容し難い…とロゴ嫌いの筆者と同行の知人は強く思った。推奨ルートを離れたのは、そのような事情もあった。

路面サインの私的なロゴ

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