信越自然郷 (2) 飯山サイクル・バス・ツアー

長野県飯山市の自転車専用のツアー・バスを見学させていただいた。単に自転車を乗せられるだけでなく、クラシカルでチャーミングな佇まいが何とも魅力的。渋い緑と白のツートーンのカラーリングに、サイド・モールやバンパーの銀メッキの波板が雰囲気たっぷり。そして大きなルーフ・キャリアから愛嬌のあるエンブレムやオレンジのランプまで芸が細かい。いざ自転車冒険の旅へ(行きたい)。

ベースになっているのは日野リエッセⅡなるマイクロ・バス。車内はオーソドックスながら、後部に自転車積載スペースが設けられている。ここに数台の自転車をそのまま載せることができる。乗客は最大で19人なので、人数分の自転車が載せられないこともある。と思いきや、残りは屋根に積み上げてロープで縛るらしい。これまでのところ、そこまでの運用はないそうだが、なかなか豪快で楽しそう。

このバスは正式には信越自然郷サイクルツアーサポートバスと呼ばれ、飯山市の委託事業として株式会社妙高ハブネットが運営している。貸切観光バスなので、1週間ほど前までには申し込みが必要。自転車でのライドは長野県と新潟県に限られるものの、ピックアップは他の地域も可能とのこと。それなりの金額になりそうだが、人数が多ければ意外にリーズナブルかもしれない。

それでは、このバスで交通量の多い市街地を抜け、絶景ポイントや快適コースで自転車を降ろそう。標高1,000mの高原を走り、麓の湖を周回し、山間の温泉につかるといった離れ技も可能だ。車中ではお喋りやゲームなども楽しめる。バスの両側にはタープが広がるので、テーブルと椅子を並べて一休み。あろうことならケータリングやシェフ帯同で飲食も楽しみたい。などと考え始めると妄想が止まらない。

誰もがバスを所有しているとは限らないから、このような自転車対応バスが各地に増えて欲しい。既に徳島福島北海道などでも専用バスが運用されている。輪行できる高速バスや自転車ラックを備えた路線バスも有り難い。さらには行き先を告げないマジカル・ミステリー・ツアーなど、楽しいイベントも考えられる。小回りの利くバスは自転車との相性が良いのだから、さらに発展することを期待したい。

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