「京都市自転車総合計画2025(案)」に関する市民意見を送りました

先月の記事で述べた、京都市への意見を提出した。

以下、全文を公開する。


京都市は現在深刻な財政危機に直面している。そのような状況下にあって、将来に向けた自転車を軸とした都市計画を推進する上で財政の絞り込みの影響は避けられない。

しかし、これまでの取り組みで実現されてきた中でも、市内における矢羽根マークを主とした自転車走行環境の整備については、未整備の箇所や重点地区以外への拡大を継続的に進めていく必要があるだろう。既整備路線との連続性確保、利用状況に応じたスポット整備として今後の計画に盛り込まれてはいるが、ここまでの整備スピードを緩めず、効果測定と継続整備は推進して行くことが望ましい。

また、例えば大宮交通公園の整備のように複数世代が共に参加できるような自転車安全教育・学習の機会と、そのためのインフラ整備を行っていくことも重要である。

というのは、自動車が都市において主たる移動手段の地位を占めている理由の一つは、「家族や友人グループ、コミュニティによる複数人での同時移動」が大きなニーズにあるからではないか、と考えたからである。複数の人で荷物と共に安全な経路で自転車移動ができる環境が整備されることで、燃料コストや環境コストが軽減される自転車へのシフトにも繋げていくことができる。

このような取り組みは、推進施策の一つともなっているような、京都を訪れる観光客の自転車利用とルール向上に対しても有効であると考える。観光客も複数人での移動が多いため移動はタクシーやバスなど自動車に依存しているところが大きい。市民にとって日常的に快適なグループ・ライドができる環境の構築は、同時に観光客の移動手段にも資することになるだろう。

最後に指摘したいこととして、評価指標の中にある「車道左側通行をする自転車利用者の割合」の評価方法を示してもらいたい。また、年度によって上下する理由、目標値が50%に設定された経緯についても同様に計画に盛り込んで欲しい。特に道路の逆走は道路交通法に違反することもある行為である。正面衝突や出会い頭事故に直結するし、安全な移動経路を整備する上での最大の障害と言えるこのような問題に対して、行政が目標値を「50%」と設定することは大いに問題がある。ここについて見直しと、より突っ込んだ検討を望みたい。

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One comment

  1. 自転車は個人移動と考えがちでしたが、同時に複数人が移動するという視点はいいですね。多くの場合、巨大なクルマに1人しか乗っていない無駄による交通渋滞・環境破壊の解決にも繋がりますね。2〜3人で並んで話をしながら自転車で走りたい時もあります。なるほどでした。

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