これまで紹介してきたIAMAS(情報科学芸術大学院大学)周辺のお勧めライドは、距離にして10〜30km程度、ゆっくり走っても半日で回ることができる軽めのコースだった。ところが今回は片道42km、古来からの交通の要衝であり、東西文化の分岐点である関ヶ原を超えて琵琶湖に到る。往復すれば84kmの、ちょっとしたロング・コースだ。
このコースは江戸時代に整備された中山道を通っている。かつては人が歩いた旧街道だから、比較的勾配が緩やかで走りやすい。唯一の峠越えである今須峠も激坂ではなく、距離は500m程度しかない。鄙びた風景も楽しめるし、自動車の往来が少ないのも有り難い。ただし、旧街道は道幅が狭く見通しが悪かったりする。国道21号線など一部は交通量の多い道路を走るので、十分に気をつけて欲しい。
また、約10kmごとに給水ポイントも記しておいた。飲み水を補給するのはもちろんのこと、盛夏ともなれば頭から水を被り、ウェアにも水を掛けよう。これで水冷式で快適に走ることができる。この給水ポイントは順に神社で自然に湧く自噴水、古墳公園の水飲み場、旧街道の茶屋跡脇の用水、ヤマトタケルが傷を癒した清水、そして最後は琵琶湖だ。完走を祝して飛び込もう。
片道42kmなので、朝に出発すれば昼前には琵琶湖に着く。ここからはビワイチのコースを走ることができる。観光地としては黒壁スクエアや彦根城まで30分程度だろうか。ランチを取ったり、湖畔を眺めたりして、しばし休憩しよう。帰路は緩やかに下って行くので、行きよりも楽なのが有り難い。午後に関ヶ原あたりから西風が吹けば、さらに軽快に走れる。冬には伊吹おろしと呼ばれる山風だ。