オリンピックと自転車専用空間

Google マップの経路検索の交通手段選択タブに”自転車”が選択出来るようになっていた事に気が付いたのは、ピストバイクを東京都内で乗り始めてからである。どうやら去年から日本の一部地域で使えるようになったらしい。
Googleマップ、日本で「自転車ルート」に対応 10都道府県で(2020/09/18)

実際にGoogle マップが提案する経路通りに自転車を漕ぎ進めると、大概は自転車レーンのマークが路面に刷られている。想像していたよりも自転車レーンというものが東京都内には充実していることに最初は驚いた。

しかしながら、路上駐車の国ニッポンなのかと思うほど、自転車レーンを何度も何度も路上駐車の車が行く手を阻む。その車を避けようと道路の内側へ近づくと、死と隣り合わせかとヒヤッとする瞬間が何度もあった(平日通勤タイム)。容赦ない速度でトラックは横50cmを遠慮なく走り過ぎていく。

IAMAS2021卒展へ訪れた際に赤松さんから「国立競技場近辺の道路を自転車で走ってみると面白いかもしれない」というお話をいただいた。新国立競技場近くはオリンピックに向けて”自転車推奨ルート”という自転車専用空間を整備する取り組みの一つのエリアに指定されている。他には”皇居周辺”、”臨海部周辺”、”葛西臨海公園周辺”、”浅草東京スカイツリー周辺”、”大井ふ頭中央海浜公園周辺”、”武蔵野の森周辺”、合わせて7地区が取り組みの対象となっている。


2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて「自転車推奨ルート」の整備に取り組みます
平成27年4月17日
建設局
東京都は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会会場や主要な観光地の周辺において、自転車がより安全に回遊できるよう、国道、都道、区市道等の自転車が走行しやすい空間を連続させ、ネットワーク化を図る自転車推奨ルートを設定し、国や区市等と整備に取り組んでいくこととしましたので、お知らせします。
 これまで東京都は、都道や臨港道路における自転車走行空間の整備を進めてきましたが、この取組に加え、2020年大会開催までに自転車推奨ルートを整備することにより、約400キロメートルの自転車が走行しやすい空間を確保し、歩行者、自転車、自動車がともに安全で安心して通行できる道路空間を創出していきます。

(実際の地図 : https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/content/000021278.pdf )

2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて「自転車推奨ルート」の整備に取り組みます より引用

手始めに代々木の自宅から一番近い”新国立競技場周辺地区”を走ってみることにした。日本で57年ぶりに開催されるオリンピックのメイン会場とも言える新国立競技場近辺。東京都のwebサイトには実際の地図も掲載されているが、最終更新は6年前の2015年4月。自宅から自転車で7,8分程度走らせてみた。

千駄ヶ谷駅~代々木間は整備済みであり、交通量も少なかったため走りやすかったが、時間帯曜日によって変化する交通量によっては、分離されていないため危険な道となりうる。

新国立競技場の南西側の外苑前~代々木間は整備がされているものの、路上駐車エリアも整備されており、走ることをためらう印象が強かった。

世界に向けて開催する東京オリンピック。日本の自転車へ対するアティチュードがこの東京オリンピックメイン会場とも言える新国立競技場近辺の自転車道路整備の中途半端さに現れてしまっているのではないか。

残り1カ月半で整備が進むのか、大分不安ではあるが、他の整備箇所についても回ってみてようと思う。ひょっとしたら新国立競技場エリア以外は整備済みという事かもしれない…。乞うご期待。

One comment

  1. オリンピックが開かれていたら海外からのお客さんや報道に一番注目される場所なのに、旧態依然とした道路事情なのですね。何兆円もの税金はどこへ消えたのやら…??

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA