この連載では輪行を取り扱っている。だが読者の大半は輪行は未経験であると思う。そこで今回は今後の連載内容をイメージしやすくなるよう、電車での輪行のやり方について紹介する。まず、筆者が輪行をするときに持ち歩くものを紹介する。
【輪行袋】
必須。これがないと公共交通には自転車に乗せることができない。折りたたんだり、分解したりして小さくした自転車を包んで電車などに乗せる。筆者はBrompton専用の輪行袋(カバー&サドルバッグ)を使っている。ジャストサイズに設計されていて、自転車が包みやすい。
【長めのチェーンロック】
あると安心なもの。見知らぬ土地で駐輪しようとすると柱にくくりにくい場所がしばしばある。チェーンロックなら比較的簡単に自転車をくくる事ができる。筆者は ABUSの長さ110cmのチェーンロックを使っている。すこし重いが丈夫で長いので気に入っている。
【パンク修理道具】
旅先でパンクして、身動きが取れなくなることほど悲しいことはない。筆者は道中でパンクをしたときは、チューブ交換をすることにしている。慣れてさえしまえば、少ない道具、短い時間でパンクを修理することができる。
次に輪行の手順について紹介する。
(1)自転車を折りたたみ、輪行袋に入れる。
(2)きっぷを買い、改札を通る。駅員に対する確認などは必要なく、追加料金もない。強いて言うなら改札を通るときに自転車を引っ掛けて、自転車もしくは改札を壊さないように気をつける。
(3)電車に乗る。列車の一番前もしくは一番後に乗るのがベター。下記画像のように角に収めるように、自転車を置いておくと乗客のジャマにならない。
(4)電車を降りる。改札を出て自転車を組み立てる。終わり。
最後に筆者の乗っている、Brompton(ブロンプトン)という自転車について少し。
一般的に輪行というのは、分解の手間は掛かるし、荷物が大きくなりがちで、交通機関での取り回しに苦労することが多い。筆者が以前、別の折りたたみ自転車に乗っていたときは肩掛けの袋に入れて、それを担いで輪行していた。担ぐとき脇腹に硬い突起が当たって、痛い思いをしなければならない上に、サイズが大きく、自立性が無いので置き場所にも困った。
これに対し、Bromptonの折りたたみの機構はよく考えられている。折りたたむことで小さく、かつ自立できる状態になる。また畳んだ状態でロックされ、持ち手もついているので、アタッシュケースのような片手で持ち運べる荷物として扱う事ができる。
この自転車に乗り始めてからは、輪行への不安要素が少なくなり、輪行が思いつきで実行できるカジュアルな行為に変わった。