先進的なドローンやジンバルを開発しているDJIが、新たにOSMO Actionをリリースした。これはDJIにとって初めての分野であり、アクション・カメラの代名詞であるGoProに真っ向から挑戦している。となると、これまで自転車カメラの最高峰であったGoPro HERO7を凌駕しているだろうか。そこで、2つのカメラをハンドルに並べて取り付け、タイル敷きの歩道を自転車で走行してみた。
その結果、OSMO ActionはGoPro HERO7に勝るとも劣らないスラビライズ能力を示した。2つのカメラの映像を左右に並べてみると、ほとんど差異がないことが分かる。路面からの細かな振動を押さえ込み、まるで空中を滑るかの如き映像だ。このレベルのスタビライズはGoProの独壇場だったが、凡百のカメラ・メーカーを押し退けて、DJIが二番手につけたことになる。
ところで、DJIとGoProは因縁の関係にある。その発端は2016年にGoProが発売したKarmaだ。これは着脱可能なジンバルとカメラを備えたドローンであり、この時はGoProがDJIの牙城に挑んだわけだ。しかし、Karmaはトラブルが多く、GoProは業績悪化、ドローン事業から撤退する。そして本業回帰して登場させたのがHERO7。起死回生どころか、他の追従を許さない素晴らしい製品が生まれた。
そして今度はDJIがGoProの牙城に挑む。その結果はまだ分からないが、追いつかれたGoProは次なるHERO8で引き離しにかかるだろう。このようなライバル関係こそが、進化の原動力になる。Karmaと同時期にDJIが発売したのが、その後の主流になるMavicシリーズの第1弾Mavic Proだった。アクション・カメラでも同じことが起こるに違いない。映像の最先端での共進化に期待せずにはいられない。
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