ある日テレビのニュース番組を見ていると、どこから入路したのか、首都高速道路を走る1台の自転車の姿が放映されていた。
ドロップハンドル・多段変速ロードバイクを巧みに操るライダーは、50kmのハイスピードで2車線の左側をキープ、自動車に交じってそのまま消えて行った……。たまたまではなく、高速道路走行の常習犯らしい雰囲気だった。
これは「道路交通法」(第8条)違反であり、「高速自動車国道法」(第17条)にも違反している。ともに「高速道路は自動車と二輪車(125CC以上)以外は通行してはならない」旨が規定されている。
では罰則は━
調べてみると、中止を命じる措置はとれるが、格段の処罰はなさそうだ。
もちろん取り締まりに抵抗したり、逃亡を図ると逮捕されたり、悪質であれば懲役(3か月以下)や罰金(5万円以下)になるが、おおむね説諭で済んでいるようだ。
テレビでは年間400件ぐらいの高速道路走行がある、と伝えていた。もともと自動車免許を持っていても、禁止を知らない人が多いそうだ。
加えて近年は高齢者の迷い込みや、道路案内ナビに頼って、知らないうちに入ってしまうケースも多発しているという。
なかでも、バイパス道路は自動車専用がほとんどだが、たまに自転車通行可もあり、注意が必要だ。
高速道路を走る自転車を見つけて、携帯電話で通報すると、善意とはいえ、ドライバーも交通違反になる。遵法とは難しいものである。
【補足】トップページの写真はイギリスの高速道路に迷い込んでパロトールから注意を受けているところ。詳しくは「ロンドンからブライトンへクラシック・ライド」を参照されたい。