Infentoは子供向けの乗り物コンストラクション・キット。2015年にクラウドファンディングに成功して製品化している。現在は8種類のキットに4種類のアドオンがラインナップ。筆者が購入したMaster Creator Kit(US$649、7万円強)は16種類もの乗り物を制作でき、手押し車やキックボードから一般的な自転車やトライクまで多彩だ。対象年齢は1歳から13歳、親子での組み立てが想定されている。
ただし、Infentoはヨーロッパと北米にしか発送していない。日本への発送を打診したが、丁重に断られた。そこで、アメリカの知人宅へ発送し、そこから日本に転送することを画策。ところが、知人宅に届いた製品は50kgもある大荷物で、日本への発送料金は10万円以上。XYZ Cargoの悪夢が蘇る。ただ、偶然にも一時帰国していた知人が、飛行機の預け入れ荷物として運搬してくれることになった。感謝。
このようにして届いたInfentoは、数個の箱に白いアルミのパイプに黒いタイヤや赤い車輪などの部品が、ぎっしりと詰まっている。アルマイト加工の滑らかな感触や、接合部や可動部の機構を確かめるのは楽しい。ただ、輸送時の振動のせいか、段ボール製の仕切りの一部が型崩れしていたのは残念。ここはキット・マニアの心をくすぐるためにも、強化プラスティックなどで頑丈に作って欲しかった。
以前にも書いたが、幼少期の筆者はプラモデルを買っても作りはしなかった。それは今でも同じで、Infentoも整然と部品が並んだ状態こそが素晴らしく、これを苦労して組み立てる気にはなれない。しかし、Infentoはプラモデルとは違って、何種類もの乗り物を作り出せる。しかも、23種類ものネジを使う謎仕様。これは実際に作らなければ、その設計思想が理解できそうもない。
そこで、オープンハウスの展覧会として、Infentoを展示することにした。あわよくば、興味を持った来場者に組み立ててもらおうという他力本願な企画。もっとも、展示設営中にInfentoを見て興味を持つ人は多かった。プラモ好き、レゴ好きと言う。ならば、これは一挙両得、一石二鳥の類だろう。ぜひ来場して取り組んで欲しい。特に親子連れは歓迎。
なお、今年2018年に2回目のクラウドファンディングが行なわれ、これも成功を収めている。新しいInfentoにはドリフト機構や安定化機構が加わり、電動化するキットもある。これまでのInfentoにもアップグレード・キットが提供されるそうだ。さらに、子供だけでなく大人も乗れる製品が望まれるし、日本へも発送して欲しい。ありそうでなかった乗り物キットは、魅力的なアイディアなのだから。