相馬復興サイクリングとツール・ド・フクイチ

初めての開催となる相馬復興サイクリング参加受付が本日開始された。これは、東日本大震災の津波と福島第一原子力発電所事故で被害を受けた相馬地方の復興をアピールするサイクリング・イベントらしい。「らしい」と言うのは開催概要の趣旨が不明瞭だからだ。垢抜けないサイト・デザインや準備中のページと相まって、即席の素人っぽい手作り感満載。ただ、それだけに復興を願って応援したくなる。

開催は2018年9月30日(日)、約90kmのロング・コースと約42kmのショート・コースが設定される。いずれのコースにも含まれる海岸沿いの大洲松川線が目玉らしい。津波によって破壊され、7年間不通であった入り江を周回する道路が、今年になって復旧開通したと言う。両岸の海を見ながら、真新しい舗装道路を走るのは爽快に違いない。そして、ロング・コースには山岳エリアが含まれる。

かく言う筆者はショート・コースにエントリー。ロング・コースの走行距離はともかく、平均斜度上り3.6%で標高差570mを20人の集団で走るのは無理があるとの知人の意見に従った。いや、単なる辛苦嫌いの軟弱者に過ぎないので、心ある人はロング・コースに挑戦してレポートして欲しい。ともあれ、合計募集人数は500人なので、大規模なツール・ド・東北とは違った雰囲気になりそうだ。

ところで、ツール・ド・フクイチは未だ実現される見込みがない。Stravaのグローバル・ヒートマップを見ても、フクイチ周辺は魂が抜けたように暗黒だ。近くを通る国道6号線は自動車に限って全線通行できるが、「窓を閉めてエアコンは内気循環にするよう呼びかけられている」と言う。周囲の粉塵が車内に入り込むことを防ぐ処置だろう。従って、防護壁がない自転車やオートバイは通行できない。

それでは、相馬市からどこまで南下してフクイチに近づけるだろうか? これは、国道6号線であれば、双葉郡浪江町高瀬字小高瀬(浪江町・双葉町境付近)までのようだ。ストリートビューでも、そのあたりに警官が立っていることが見て取れる。自転車で通りかかろうものなら、即座に阻止されるのだろう。ここからフクイチまで直線距離で6.5kmほどになる。

また、海岸近くの県道391号線を南下する場合は、ストリートビューでは双葉町に入って郡山海岸付近で立ち入り禁止のバリケードが出現する。警官の姿は映っていないが、たまたま不在だったのかもしれない。ここからフクイチまでは僅か3.6km。これらは通行規制情報にも一致する。つまり、警戒区域・帰宅困難区域には立ち入れないわけだ。

さらに、JR常磐線浪江駅までは運行されている。通常の輪行が可能であれば、ここから相馬駅や仙台駅に電車で戻ることができる。ただし、運行は1日に11本しかない。なお、道路にしろ鉄路にしろ、情報の正確さは保証できないし、いずれ状況が変わることもあるだろう。自主的にツール・ド・フクイチを行うのであれば、十分に情報を確認し、安全な走行を心がけて欲しい。

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