緊急指令、リア・ディレイラーを保護せよ

先日ライド中に異変が起きた。ギアを変えるとカラカラと後部から音がする。あれ?と思った次の瞬間グシャガガガっと大きな音がしてペダルが漕げなくなる。そして、ブレーキを掛けて減速したものの、ビンディング転倒。起き上がって見ると、リア・ディレイラー(以下、ディレイラー)が脱落してチェーンと絡まり、スポークが半数近く折れていた。不幸中の幸いは軽い打撲程度で大きな怪我はなかったこと。

修理をお願いしたショップの話では、ディレイラー・ハンガー(以下、ハンガー)が曲がっていたのだろうとの話。ハンガーはフレームの後端に取り付けて、ディレイラーを繋ぐ金具のこと。これが内側に曲がった状態でシフトダウン(ギアを軽く)すると、ディレイラーがスポークに接触してカラカラと音を立てる。さらに接触の度合いが大きくなると、スポークがディレイラーを巻き込んでしまう。

ハンガーは柔らかいアルミで作られており、力がかかると曲がることで、フレームの損傷を避けるらしい。人間の身体で言えば、鎖骨のような存在か。だから、曲がることは有り得るとしても、問題はなぜ曲がったのか?だ。実は、1年ほど前にもハンガーが曲がってディレイラーが脱落したことがあった。次の写真は1年前、2枚目は今回、それぞれトラブルが起こる直前に撮った写真だ。

どちらも自転車の左側を橋の欄干に立て掛けている。橋の上だから突風が吹くこともある。風が強ければ自転車は倒れる。この時、自転車は右側に倒れるので、ディレイラーに力がかかり、ハンガーが内側に曲がってしまう。写真を撮るために筆者は少し離れているので、倒れる自転車を支えられなかったわけだ。これで原因が判明したが、我ながら推察能力の乏しさと学習能力の低さに嘆いてしまう。

1年前はハンガーの取り替えだけで済んだが、今回は損傷が激しく、ハンガーだけでなくチェーンとディレイラーも取り替え、スポークを組み直すことになった。それぞれ新品になったのは嬉しいが、費用は馬鹿にならない。今後、自転車を倒さないことが一番だが、それでも自転車が倒れた時は、ハンガーの状態を確かめるべきだろう。また、異音が聞こえた時も、すぐに停まって原因を探る習慣をつけたい。

また、遅ればせながら、ディレイラー・ガードなる製品があることを知る。このガードは、クリック・リリースのナットに挟み込んで固定する。これで金具がディレイラーを覆うようになり、転倒時の衝撃を緩和することになる。野暮ったい印象も受けるが、背に腹は買えられない。ちなみに、知人の比較的な安価なクロス・バイクには、ディレイラー・ガードが最初から付いていたそうだ。感心してしまう。

さらに、専用製品ではないが、前輪のクリック・リリースのナットと入れ替えるライト・ホルダーも利用できることに気がついた。これを後輪に取り付ければ、ディレイラーを保護できるわけだ。しかも、大型のサドル・バッグ利用時に、リア・ライトやレーダーの取り付け場所になる。位置は低くなるが、レーダー機能は問題ないようだ。このようにして「二度あることは三度ある」を避けたいと思う。

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