毎度のことだが、前回苦しまぎれで『孤独のグルメ』からある1話を抜き出して、なんとか原稿を書いた。すると赤松正行より「80話のうち1話だけとのことですが、今回の記事のために見直したのですか? それとも記憶力抜群とか?」とい
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クリティカル・サイクリング
毎度のことだが、前回苦しまぎれで『孤独のグルメ』からある1話を抜き出して、なんとか原稿を書いた。すると赤松正行より「80話のうち1話だけとのことですが、今回の記事のために見直したのですか? それとも記憶力抜群とか?」とい
Read more『孤独のグルメ』というテレビドラマがある。2012年にSeason1がはじまり、現在Season8が放送中。輸入雑貨商の井之頭五郎(松重豊)が、ひとりでご飯を食べるという、それだけのドラマだ。ご飯を食べる店はもちろん実在
Read more夕闇迫る坂道を全力疾走する足立麻子(を演じるのは小泉今日子)。背景には、黄色いゴミ袋がやたらと目立つ。次のカットで、全力疾走のまま道を右折しようと膨らんだところを(といっても少々わざとらしい)、突如現れた自転車から身を逸
Read more僕がいま研究代表をしている「マス・メディアの中の芸術家像」という日文研でのプロジェクトは、研究対象の時代区分を1968年から95年と限定している。この設定はテレビというオールド・メディアの成熟期から、インターネットに象徴
Read more黒沢清の映画『勝手にしやがれ』シリーズの続編の続編に位置づけられる『蛇の道』(1998年)も相変わらず哀川翔が主役だ。シリーズと書いたが、すこしだけ設定が似ていて、哀川が主役であるということしか共通点はない。もっとも「し
Read more「市場のそばに貸自転車がある。君が眼をさましたら、二台借りて乗りに行こうじゃないか。ブーシフのまわりは、だいたい平地なんだ」 なぜか理由はわからなかったが、この提案は何となく彼女の心をひいた。 「すてきね!」と彼女は言っ
Read more自転車という言葉の魅力は、「自ら」という点にあるような気がする。別に日本語独自というわけでもないと思うのだが、「Bicycle」という単語には強調されていないことだが、映画の中である種の自由の表象として示されるときには、
Read more画面は上下に二分割、いやそれが二画面だから四分割、いや上下二分割と曖昧な一画面ということで三分割・・・。赤松正行の《消失するライド》という、自転車に乗る身体からの主観映像に基づく作品だ。画面は上下が反転した映像で、ひとつ
Read more横尾忠則が画題にするY字路のような、谷中にあるみかどパンの杉の木を正面から捉え、右側の道の奥から、吉行耕作(前田耕陽)のママチャリが、姿勢を低く疾走してくる。「ゆーさーん、ゆーさーん、やばいっすよー」と絶叫し、みかどパン
Read moreそういえば、と思い出して、久しぶりに、河瀬直美『沙羅双樹』(2003年)を見直す。作品前半、主人公の高校生ふたりが奈良町の路地を走るシーンだ。 高校の美術部で、俊が夕をモデルにデッサンするシーンから切り替わる。すこし
Read moreメディア・アーティストの藤幡正樹は、自転車の乗り方をテキスト化することの困難さを、あるエッセイに書いている。一瞬「そうかな?」と思わなくも無い。実際、「ハンドルを握り、サドルに座り,ペダルを漕ぐと自転車は動きます」と書け
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