「長くつ下のピッピ」などで有名なスウェーデンの児童文学作家アストリッド・リンドグレーン(Astrid Anna Emilia Lindgren)は、幼い少女ロッタが自転車に憧れ、乗ろうとする物語を書いている。それが「ロッ
Read more自転車と放蕩娘 (30)「自分がまだ生きていることを自分で確認するためのライド」
今回で、この連載も30回目を迎える。連載を始めた当初、「女性と自転車という切り口で、連載してみないか」という誘いに応じたのには、理由があった。ロードバイクで長距離を走る時に感じた感覚を言葉にすることで、私なりにフェミニス
Read more自転車と放蕩娘 (29) 特別なことがない日のライド
今更ながら、私がなぜロードバイクに乗るようになったかというと、学生時代に偶然出会ったからだ。当時は京都に住んでおり、市内を移動する手段として自転車が最適だと感じていた。しかし、都心近郊に引っ越して坂の多い地域に住むように
Read more2021 ACC’s International Academic Conferenceのお知らせ
2021年11月25日から11月26日まで韓国光州広域市のAsia Culture Centerで「2021 ACC’s International Academic Conference」が開催されます。この国際会議で
Read more自転車と放蕩娘 (28) 個人史から語る女性ロードレースの歴史
秋晴れの気持ちのよい日には、たとえ近所でも自転車で出かけたくなる。最近はもっぱら、片道1時間くらい走るだけの短いライドだが、それでもモードが切り替わる瞬間が好きだ。結局のところ、鋭敏な身体を取り戻すことが、私にとってロー
Read more銀(塩)輪車 第4回 オペラトール
前回の第3回では本連載の試作1号となるピンホールカメラを用いた撮影を行ったが、結果として露出不足の写真が出来上がってしまい失敗作となった。今回の第4回では異なる撮影・現像方法を試す予定であったが、今月は撮影及び大学の暗室
Read more自転車と放蕩娘 (27) 山下菊二《高松所見》(1936)に見るモダンガール
「自転車のある情景展」が、徳島県立近代美術館、八王子市夢美術館で開催されている。ミショー型自転車に始まる、量産型自転車や競技用モデル、宣伝ポスターの展示もさることながら、本展の魅力は、美術作品の中で自転車がどのように捉え
Read moreフォーク後ろ寄り積載で低速時のヨロヨロを解消
前回の記事では「前荷ism」という言葉をでっちあげて自転車の前方への積載とジオメトリーとの関係を掘り下げたが、一口に「前荷」と言ってもどこにどう積むかで違いが出るということも見えてきた。今回はフォーク積載に注目し、野営あ
Read more自転車と放蕩娘 (26) オラファー・エリアソン《あなたの新しい自転車》(2009)
女性と自転車を切り口に始めたこの連載では、女性の作り手/乗り手にフォーカスすることもあれば、作品などに登場する自転車に乗る女性の表象を扱うこともある。いずれにしても、明確に女性が関わっていることがわかる場合が多いが、時折
Read more前荷ismのための自転車ジオメトリー考察
先月の信州の旅(前回はその装備について書いた)は、普段から乗っているLe Mans Sportifの汎用性の高さを再確認させてくれるものだった。古くて重いのに登坂が楽しい自転車で、グラベルやトレイルもそこそこいける。一方
Read more自転車と放蕩娘 (25) 新型グループ・ライド 2021 Summerから見えてきたこと
去る7月23日、新型グループ・ライド 2021 Summerに参加した。最初にオンラインでのグループ・ライドが行われた昨年の夏に比べると、どことなく空気が違って感じられた。照りつける陽射しをものともせず、自噴水を汲みに集
Read more銀(塩)輪車 第1回 ニエプス
自転車を通じて体験し得る事柄には、距離的移動、時間経過、身体的疲労、振動、風、空気抵抗、周囲とのコミュニケーションなどといった多くのものがある。これらを含んだ、自転車に乗るという行為の新しい記録の仕方を、銀塩写真を用いて
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