都内ピストバイク乗り始め

ピストバイクの購入

岐阜県大垣市にある大学院IAMASでの学生生活を終えて4年、東京代々木で一人暮らしを始めたことをきっかけに、念願の自転車を手に入れた。都心の様々な場所(新宿、渋谷、表参道、下北沢など)へアクセスが良い”代々木”という場所に住みながら、自転車を持っていなかった事がずっと気掛かりであった。

新しいもの欲しさに、大学院時代から乗っていたロードバイクではなく、シングルギアが特徴のピストバイクを購入した。

購入したピストバイク

調べていく中で、ピストバイクにまつわるブログ記事や映像投稿が豊富なピストバイク専門店 BROTURESというお店が目にとまり、購入についても親身に相談していただいた。初めてのピストバイクには encoreのカーボンホイールを前輪にカスタム、ボディは店舗で一番お手頃価格に購入できるLOCALBIKESのMETROというシンプルなモデルに決めた。

多少ロードバイクと選択を迷ったが外観そして一生憧れているストリートの雰囲気を体感すべくピストバイクへ跨ぐことにした。ストリートへの憧れとは、その自由さであったり、むき出しの闘争心のような荒削りで不格好な雰囲気に酷く心を惹かれてしまっているからだ。周囲の反応に対して敏感になりがちな私からすると、真反対に位置するような存在であるからこそ憧れているのかもしれない。

そんなストリートを感じるピストバイクについて改めて説明すると、元々は競技用の競輪車がスタートである。シンプルな構造でメンテナンスがしやすく、頑丈だと良く言われている。日本でもピストは何度かブームがあったらしいが、ノーブレーキのバッシングを受けて一度沈んだものの、今ではブレーキ付きが当たり前ということもあり再び人気を回復しつつあるとのことだ。

問題となったNike広告”ブレーキなし、問題なし”
(引用:https://alcoholiks.exblog.jp/5409292)

個人的にストリートの印象を強く持つようになったのはニューヨークのメッセンジャー達がピストバイクを乗りこなす映画”プレミアム・ラッシュ”かもしれない。バイクメッセンジャーとして働いている主人公がずば抜けたピストバイクテクニックを駆使してニューヨークの街を駆け巡り、難を乗り越える映画である。

ピストバイクの面白さ大変さ

ピストバイクには前述したような”シングルギア”という特徴以外に”fixed(固定)ギア”という特徴も持ち合わせている。普通のロードバイクであれば逆にペダルをまわせば空回りだが、固定ギアは車輪も逆へまわる。一輪車と同じ原理である。

固定ギアについての映像

ピストバイクでのライドがとても大変というわけではないが、乗り始めには癖の強さに翻弄した。漕ぎだすにもペダルの位置を漕ぎだしやすい位置へ調整する必要があり、降りるときは一度両足で同時に地面に降りる必要がある。漕ぎながら降りようとすれば下手な中国雑技団のように片足立ちで身体が上下してしまう。

ブレーキについてもfixedギア特有の癖がある。ハンドルブレーキで前輪後輪共に止めることは可能だが、ペダルの回転を強制的に止めることで後輪を滑らせてピストを止める”skid(スキッド)”という手法がある。車でいうドリフトの方がイメージがつくかもしれない。skid以外にも様々なトリックがあることもピストバイクの面白さの魅力といえる。

ピストバイクに乗り始めて1週間が経とうとしている。自宅近辺の新宿や国立競技場へのライトなライド、勤務先の天王洲アイルへ原宿・渋谷・六本木経由で12kmの通勤ライド。ピストバイクの癖には慣れてきたと同時に不思議な感覚も覚えるようになった。足と車輪が直繋ぎになっているような感覚である。

当たり前ではあるが固定ギアだと下り坂でも足を回し続けなければいけない。すると、下り坂の途中から漕いでいるのは自分なのか、それとも自転車に足を漕がされているのか、不思議な感覚を覚えた。この不思議な車輪と足との連結感覚にピストバイクを面白いと感じている人は多いのかもしれない。

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