Activ5でアイソメトリック自転車エクササイズ

ActivbodyのActiv5は、掌サイズの小さな筋力トレーニング用デバイス。いつでもどこでも手軽に使えて、スマートフォンのアプリと連携して効率的に筋力アップに取り組むことができる(はず)。圧力センサーが仕組まれた単純なデバイスだから、それほど期待していなかったものの、これが結構面白く思わず筋肉をプルプルさせてしまう。冬場や新型コロナウイルスでの運動不足解消にピッタリだ。

通常の筋肉トレーニングはアイソトニック・エクササイズ(等張性収縮運動)と呼ばれ、ダンベルを持ち上げたりして筋肉を収縮させて鍛える。これに対してActiv5はアイソメトリック・エクササイズ(等尺性収縮運動)と呼ばれる筋肉を収縮させないトレーニングだ。例えば、両手を合わせて力を込める。この時、関節は動かず、筋肉の長さも変わらないが、筋肉に負荷をかけて鍛えることになる。

Activ5は負荷を圧力センサーで計測し、その値をリアルタイムにBluetooth LEでスマートフォンに送る。標準のActiv5アプリには100種類ほどのポーズがあり、効率的なメニューを提案してくれる。最初に最大パワーを測定すれば、画面の表示に合わせて力を込める。適切な負荷に自動調整されたエクササイズは簡単なようでコントロールが難しく、嫌味のないゲーミフィケーションになっている。

トレーニングには特別にデザインされたプログラムもあれば、身体の部位ごとに鍛えるワークアウトや年齢や状況に応じたコースが何種類も用意されている。中でも注目は競技別のワークアウトで、自転車向けのウォームアップもある。その名の通りに、自転車で走り出す前に筋肉を整えて活性化するように考慮されているのだろう。所要時間も短いので手軽に取り組むことができる。

自転車のトレーニングと考えると、Activ5のメリットは圧倒的に手軽なことだろう。ローラー台ほど高価ではなく、場所も取らないし、騒音や振動の問題もない。しかし、筋肉強化だけなので、効率的なペダリングなどのバランス感覚を養うことはできない。関節を動かさないので、動きを伴う訓練にはならないわけだ。とは言え、そもそも非力な筆者には基礎トレーニングだけでも役立つはずだ。

さて、すべてのトレーニングは記録され、分析されている。驚いたことにActiv5を使い始めて間もなく、筆者は右脚の筋肉が弱いことが指摘された。自動車事故での右大腿骨骨折のために、右側の脚力が劣っているからだ。このような場合はボタンひとつで強化メニューを組んでくれる。医師からも右側を中心とする筋肉トレーニングを指示されているので、これはとても有り難い。

このようにActiv5はポケットに入る小さなトレーニング・ジムだ。Apple Watchやヘルスケアとも連携し、単四電池で約半年間持つのも使い勝手が良い。標準アプリ以外にもActiv5 Flyなどのゲーム性を高めたアプリも用意されている。さらにiOSやAndroid、それにWEBブラウザ用のActiv5 SDK(ソフトウェア開発キット)もある。後は三日坊主を克服するだけだが、もちろんそれが一番難しい。

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