Loop Mountでスマートフォンをマウント

近年、私たちの生活を一変させたテクノロジーを挙げれば、それはスマートフォンだろう。ところが、自転車に乗るとスマートフォンを適切に扱えない。手で持つのは危ないし、ポケットに入れると使えない。そこでスマートフォン・ホルダーを後付けするが、これまでの市販品は嵩張り不格好なものばかりであった。そこで機能性とともに美しい外観と使い易さを目指したのがLoop Mountだ。

この製品は7,404 人から£389,037(約5,442万円)の支援を得てクラウドファンディングが成立。単純な自転車アクセサリーとしては大成功だろう。2個で£52、送料を入れると1個4,000円ほど。それなりに高額商品だ。予定より若干遅れて先月末より発送が始まり、筆者にも届いた。謳い文句通りにすっきりとしたデザインで、何も取り付けていない時も慎ましく目立たない。スマートフォンの取り付けや取り外しは簡単であり、安定感もある。

Loop Mountは自転車に溶け込み違和感がない

Loop Mountがシンプルなデザインであるのは、スマートフォンの横置き(ランドスケープ・モード)だけに限定しているからだ。これはコロンブスの卵的発想で、都心部での自転車ルート検索が可能になったGoogle Mapsなどが利用できる。もっともStravaなど縦置き(ポートレイト・モード)でしか表示しないアプリも少なくないので、両方に対応するアプリが増えることが望まれる。

Loop Mountに取り付けたiPhone 12 Pro

また、円筒形のステムであれば、スマートフォンが縦置きになるようにLoop Mountを取り付けることができた。このような取り付け方の紹介例が少ないので、安定性が十分ではないのかもしれない。なお、Loop Mountの内径は33mmほどで、ゴム製のスペーサーが2種類と薄いゴム・シートが付属している。自転車以外にもベビーカーやキックボードなと円筒形のバーがあれば取り付け可能だ。

ステムに取り付けたLoop Mount

利用できるスマートフォンは幅80mmまでなので、iPhone 12 Pro Maxも問題なく取り付けができる。ただし、シフト・レバーの間隔が狭いBromptonの旧型S6Lのように、ハンドル・バーの状態に制約があるかもしれない。また、やや不安定なので推奨できないが、Garmin Edge 830も取り付けることができた。このようなサイクル・コンピュータも適切に取り付けられるようにして欲しいところ。

Loop Mountに取り付けたGarmin Edge 830

多くの自転車のハンドル・バーは円筒状で問題ないものの、エアロ形状の扁平したハンドル・バーには取り付けられない。マウンテン・バイク用の湾曲したハンドル・バーにも適合しないかもしれない。いや、そもそも、一般的な自転車であっても何らスマートフォンを考慮していないのが大問題だ。当たり前だが、自転車に乗りながらスマートフォンを手で持つのは危ないし、ポケットに入れると使えない。

今日私たちはスマートフォンを持たずに出かけられないし、自宅であろうと職場であろうとスマーフォン抜きには居られない。それは依存症かもしれないが、最早スマートフォンは人の感覚器であり、思考媒体と考えるべきだろう。しかし、自転車は旧態依然とした形状のままで進化していない。Loop Mountは好印象だが、このようなアタッチメントを必要としない自転車こそが望まれている。

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