猫と自転車に乗れたなら (2)

猫と自転車に乗れたなら〜

猫は自転車に乗せることが難しい動物である。
ゆえに、猫と自転車に乗っているだけで世の羨望の眼差しをうける。ましてや、一緒に自転車で世界を旅しているとなれば、それだけでワールドワイドなYoutuberになれる、というのが前回のお話。

あれからさらに調べてみると、自転車に乗るのが好きではない猫も、練習すれば乗れるようになれるらしい。人間が自転車に乗れるようになるための練習が必要なように、猫も訓練すればできるとのこと。猫目から鱗の発見。

まず今回紹介したいのはバスケットに乗ってサイクリングを楽しむオータニとヨゾラ。
サイクリングを楽しむ、と言うより、自宅での毛づくろい状態そのままに、寛いだ姿でいることに驚く。自転車を漕ぎ始めて景色が変わり始めても動じない。「あら行くの」といった舐めた調子。

オータニとヨゾラが自転車に上手に乗れるようになったのは、飼い主リタの地道な努力があった。リタの「猫とライドに行く訓練」によると、まずは猫が自転車のバスケットに入る訓練から始める。餌をあげたり、褒めたりと毎日(日に数回)訓練。そしてバスケットに入るようになったら、上から柵状のカバーをした状態に慣らす。さらに飼い主がこの状態のバスケットを抱えて家の中を移動して周り、猫が「バスケットの中で移動する状態」に慣れさせる。ここまでは、人間が補助車をつけて走る練習と同様かもしれない。そしていよいよ自転車のフロントに籠をつけたライドとなる。映像では、猫とのライドで気を付ける点を紹介するなど細かな配慮も怠らない。

オータニとヨゾラがハーネスも付けずにバスケットに乗りリラックスしてライドできるようになったのはリタの努力の賜物。猫が自転車に乗れるかどうかは、猫のせいではなく、飼い主の思いと行動が一致してのことかもしれない。猫と自転車のライドが夢と言って諦めていた私は反省しきり。余談だが、オータニとヨゾラの住むドイツは、世界でも有数のペット先進国。全国に約1000ある動物保護施設ティアハイムには、犬や猫はじめ、ウサギ、ラット、鳥、爬虫類、馬、羊など、多種多様な動物が保護されている。市民の寄付などを得て民間機関として運営され、9割以上の動物たちが里親に譲渡されてゆく。もちろん殺処分はしない。動物福祉の観点からすれば、日本の動物保護状況と比べて天と地ほどの違いがある。

閑話休題。リタのように誰もが根気よく訓練できるとは限らない。そこで次に登場するのが、チャイルドシートならぬペットシートだ。紹介するBuddyrideは、開発者のコリン氏が子どもの成長で不要となったチャイルドシートを使って愛犬用シートを発案、プロトタイプモデルでトライ&エラーを繰り返しながら商品化に漕ぎつけた。フロントシートの愛犬と会話しながらライドを楽しむ愛犬家たちの表情はどれも嬉しそう。

このBuddyriderに飼い猫を乗せてライドを試みた夫婦がいる。乗せられた猫は少しおデブのモーツァルト。Buddyriderから肉がはみ出している姿はちょっと笑える(本人は神妙だが)。

話戻って、努力家のリタにはなれそうにもない飼い主や、モーツァルトのようにペットシートに座わる猫でもない限り、ペット用バックパックのお世話になるのがいいかもしれない。市場には多様なペットキャリーバッグが溢れている。最近のペットバックパックはペットとアウトドア・ライフを楽しむことを前提にしたものが増えている。中でも「ペットキュート」はなかなか優れものだ。災害時のペット同伴緊急避難の時にも役立つこと間違いなし。日本のアマゾンでも購入可能。この製品、リタの一押し製品でもある。その証拠に彼女のサイトでバックパックの商品比較映像や屋外で使用お試し映像が公開されている。

バックパックにひょいと入るオータニとヨゾラ。猫たちが嫌がらずキャリーに入るようになるため、リタは冒頭で紹介したのと同様の導入訓練を行っている。つまり、自転車にマウントされるバスケットも飼い主が背負うバックパックも、猫が心地よく過ごせるようになるには、まずは飼い主の努力が必要なのだ。

さて、最後は訓練なんかなくたって、自ら自転車のカゴに入っていたらライドしてもらえた猫の紹介。

努力なしで猫と自転車に乗る夢を見るより、汗をかいて努力することを強調する一方で、こういった偶然の猫とのライドこそ、一期一会、猫との縁を自然に実現する理想形なのかもしれない。

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