[輪行しませんか?] しまなみ海道編(1)

多々羅大橋

今回から連載二回分に渡って、しまなみ海道について紹介する。瀬戸内地方は晴天が多く、雪の心配も少ないので、冬の季節でも走って気持ち良い場所だ。一回目の今回は、その概要や魅力について紹介する。

ちなみに筆者はしまなみ海道で、夏と冬に一度ずつ走ったことがある。夏の方は尾道から今治まで一気に走り(下図赤ライン)、冬の方は、同じく尾道からスタートして4つ目の大三島(おおみしま)からフェリーに乗り、本州に戻るというルートをとった(下図青ライン)。

尾道駅までは新幹線とJR山陽本線を乗り継いで輪行した、筆者の住む大垣からだと3時間程度、12,000円ほどかかる。一方、しまなみ海道でかかる交通費は大したことはない。尾道から隣の向島までの渡船が110円で、橋の通行料は現在は無料(2020年3月まで)。

© OpenStreetMap contributors
体力や次の目的地に応じて、ルートを設定できる。

【しまなみ海道について】
しまなみ海道という名称は、広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ全長約70kmの自動車専用道である、西瀬戸自動車道とその周辺の道路の愛称。尾道〜今治間に自転車用のコースがいくつか設定されている。道路は専用の青いレーンが整備されており、基本的に交通量も少ないので走りやすい。レンタサイクルや駐輪場だけでなく、パンク修理宿泊などのサービスも充実している。

最近も自転車に特化した複合施設である、ONOMICHI U2が登場するなど話題が尽きない。コースや観光の情報はしまなみ海道サイクリングにわかりやすくまとめられているので、こちらも参照して欲しい。

渡船から見た尾道

【6つの橋】
しまなみ海道は本州と四国を結ぶ。その間には6つの島があり、それを繋げる7つの橋が架かっている、本州と繋がる、新尾道大橋を除く6つの橋は専用の歩行者・自転車道を備えているので自転車に乗ったまま渡ることができる。

筆者は、この大きな橋を走り抜ける時間が好きだ。なだらかな上り坂を登り、橋の入口にたどり着く、橋を渡り始めるとそれまで走っていた島とこれから走る島が同時に見える、それまで走っていた場所が景色になり、景色だった場所がこれから走る場所になっていく、その時間がたまらない。

因島大橋
因島大橋は、橋桁の中を通る。

【それぞれの走り方】
しまなみ海道を走っていると、外国人観光客や小中学生くらいの子供を含んだ家族連れを追い越したり、逆に猛スピードで走るサイクリストに抜かされてしまうことがある。こういったことは同じ道を走ってもそれぞれの走り方、楽しみ方があることを端的に示しているように思う。

自前のロードバイクに乗り、ひたすら目的地に向かい一日中走るスポーツ的な楽しみ方もあれば、現地でレンタサイクルを借りて、観光やグルメに興じながらのゆっくり移動するような楽しみ方もある。途中の島にも宿泊施設はあるので、何も一日で走破する必要もないわけだ。橋によって尾道から今治までのルートはだいたい決まっているようであっても、多様な楽しみ方が存在することも、しまなみ海道独特の魅力ではないだろうか。

今回はしまなみ海道の全体的な紹介にとどめておく。次回は番外編を含めて、島や地域ごとの魅力にフォーカスして掘り下げていく。

向島の景色

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