多機能スマート・ヘルメット、LIVALL BH60SE

深センのスタートアップ企業LIVALLの最新スマート・ヘルメットBH60SEが届いた。一番の特徴は背面に埋め込んだ14個のLEDで、方向指示器とテール・ランプの役目を果たす。また、スピーカーとマイクも内蔵しているので、音楽を聞いたり、通話したりできる。さらに、転倒などで強い衝撃を受けた時は緊急メッセージを送る機能まである。微笑ましいほどに垢抜けないビデオをチェックしよう。

さて、肝心のヘルメットとしての性能は、EU向けのEN1078などの安全基準の認証を取っているので、安心して使えそう。ただし、日本の販売サイトでは安全性能について明記しておらず、単なる面白グッズ扱いなのが残念。しかも海外から購入するほうが安い。ヘルメットや紐の装着感は良く、欧米製品に感じる窮屈さはない。さすが深セン発だけはある。通風性も良く、早春では寒いくらい。

次に気になるのは背面のLED。これは夜はバッチリ、昼間でもそれなりに見える。だが、リモコンのボタンが小さいので、判別することも押すことも難しい。フラット・バーでも操作しにくいし、ドロップ・ハンドルであれば、取り付け位置に困る。冬の手袋を付ければ絶望的に操作困難。汎用品の流用であろうか、自転車に乗って実地テストしたのかと疑いたくなる。専用ケーブルでの充電も不便極まりない。

一方、ヘルメットの縁に取り付けられたスピーカーは秀逸。HoloLensにも似て、耳の上のすぐ近くから聞こえてくる音は快い。これは骨伝導ヘッドフォンネック・スピーカーよりも自然な感覚であり、装着感も見た目も阻害しない。風切り音や走行音が混ざるので音質は気にしない。マイクの防風性能も低いが、今どき誰も通話はしないだろう。機能が多い割には、重量は285gと許容範囲。

専用アプリは各種設定だけでなく、走行ログの記録や共有もできる。ただ、大きな特徴はなく、散漫な印象を受ける。これがアプリをアクティブにして、グループ通話や緊急メッセージを有効にするためだとすれば、本末転倒だろう。ヘルメットに関わる機能だけにして、シンプルで使い易くして欲しい。このヘルメットを買うような人はサイクル・コンピュータを持っているはずだから、尚更だ。

このように多機能ヘルメットは、セールストーク先行の悪しき企画商品だった。便利そうなものは不便極まりないという典型だろう。それでもリモコンさえ使い易いものになれば、随分と良い製品になるに違いない。また、自転車ならハンドサインで十分なのに、なぜ方向指示器が必要なのだろう? 筆者にとって、それは法規を超える電動アシスト自転車に乗るためだ。そこにこそ焦点を当てるべきだと思う。

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