書籍PEDAL POWERについて

この記事では「PEDAL POWER」という書籍を紹介する。この本はJames C. McCullaghが執筆し、Rodale Pressから出版された。前回紹介した「Bicycling Science」の著者David Gordon Wilsonも、いくつかの章を担当している。この本はまだ英語版しかなく英語は読めないほどではないが、筆者(sy)としてはたまに難しい文法だと感じた箇所があった。本のページ数は133ページである。

この本は、自転車の構造でもっとも重要だといえるペダルとスプロケット、そしてチェーンという機構が、実は様々な道具の中で使用されたことを、詳細なイラストと写真を添えて載せている。つまり、今の生活では自転車に乗る時ぐらいしか認識しないこの機構は、実は人力を使用し様々な作業を行うための「普遍的なもの」だったのである。

そこで本書は、自転車の歴史ではなく「人力の歴史」から始まる。そして人類の文明は、農業の発達から拡大した。つまり上の写真のような農機具は大事な道具であったことになる。この道具は、動物を利用できない場合にも農業を行うために、2人で、押してまた引っ張ることで土を耕した。この2人は脚の筋肉を使っていて、これはこのような作業では正しい選択だったそうだ。

その後、西洋では自転車が発明され、19世紀に入るにつれクランクとペダル機構は一般化していく。1890年代の間、ペニー・ファージングからセーフティー型自転車に移行する中、この機構は様々な道具の中で使用された。レース用のボートに使われると、それまでオールを漕いで動かしたボートを簡単に負かした。その他にもポンプやノコギリ、旋盤のような工作器具にも使用された。

また、本書が単なる人力使用の歴史書ではないことも面白い。第6章では、未来に置ける人力使用のポテンシャルについて語っていて、そこで著者は、機械の力を使用することを三つのカテゴリーに分けている。それは「High-Powerな装置」と「Low-Powerで特殊な機能の装置」そして「Low-Powerで便利または装飾を追求した装置」である。著者は、前者の二つに関しては、機械が独自の動力を持ち駆動されることを認めるけれど、環境問題などの結果も起こしているという。そして、最後のカテゴリーに関しては再考の余地があると述べている。

そこで著者は、3番目のカテゴリーに含まれる装置を説明するために、車を例に挙げている。著者は、車が走るため使用する動力以外の窓やシート、アンテナーやワインダーまで、すべてを電力で動くようにしていることに疑問を感じているようだ。そしてこれは、もし動力が切れて動かなくなることを想定すると、逆に安全面での危険性を負っていると指摘する。このように、人力を使うことの意味を探っていく著者の態度には同感できるものがあり、面白い本だと筆者は感じた。もし本の購入を考えている方がいればこちらのリンクで購入が可能だ。

【註】掲載した図版は同書から引用した。

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