ミニマリストのためのミニマム輪行袋FAIRMEAN

一定の条件を満たせば、自転車を公共交通機関に載せて移動することができる。これは輪行と呼ばれ、サイクリングの活動範囲を広げてくれる。混雑する市街地を電車で抜け出し、環境の良い郊外から走り出せるからだ。疲れたり、雨が降ったりしても、電車で戻れるのも嬉しい。自走なら何日もかかる遠方でのサイクリングも楽しめる。電車だけでなく、船や飛行機でも輪行できる。

鉄道や飛行機では、自転車を折り畳むか分解して専用の輪行袋に収める。これが何かと悩ましい。まず、自転車を分解や組み立てが面倒な上に時間がかかる。前輪は簡単だが、後輪を外す場合はチェーンやディレイラーの取り回しに苦労する。フレームと車輪との固定も面倒で、次第に緩んでくる。そして手際良くに持ち運んだり、立てかけて安定させるのも難しい。かくして輪行が億劫になり、縁遠くなる。

ところが、知人に教えてもらったフェアーミーン(FAIRMEAN)の輪行袋が素晴らしかった。何より、帆を張ったような姿が美しい。ウルトラライト系の素材なので、使わない時は驚くほど小さくまとまる。バッグやボトルは取り付けたままでOK。自転車を収納する手順はビデオを参照。要所要所に当て布があり、収納作業の目印となる。肩で担ぐストラップやサドルを覆うカバーも付属している。

フェアーミーンの輪行袋は、自転車のサイズに合わせて手作りだそうで、フランスからの航空便で届く。1年半ほど前には発注から発送までは約3週間ほどかかった。色は鮮やかなピンクとブルー、それにシックなブラックから選べる。価格が16,500円(税込み17,820円)と高めなので、手を出しにくいかもしれない。だが、素材や工賃を考えれば無理からぬところ。送料は無料でかからない。

この輪行袋は、薄くて丈夫な布をピンと張って自転車を包み込むことで、フレームと車輪が一体化する。コツをつかめば作業は短時間で済む。ジャスト・サイズであることが安定性と簡便性を高めている。横置きにした場合は長さが気になるかもしれない。ただ、車両内で立てかける時には縦置きにすれば良い。新幹線では一番後ろの座席の後ろに置くのがお勧め。早めに指定席を予約しておこう。

フェアーミーンによって輪行が手軽に楽しくなる。だが、混雑する車内に自転車を持ち込むのは気兼ねするし、満員電車となれば不可能だろう。そもそも海外では自転車とともにそのまま電車に乗れるので、輪行という考え方自体がない。輪行袋も存在しない。ラッシュ・アワーには混雑するが、日本ほどではないし、フレームで囲まれた専用スペースがあったりもする。決して下を見て生きてはならない。

【追記】記事の内容についてFairmeanのJulien Saint Geromeさんに確認いただいた。Fairmeanではホームページを作成中なので、質問や注文は電子メールやInstagramなどで問い合わせて欲しいそうだ。また、現時点では発注から発送までは約1ヵ月ほどかかるとのこと。さらに、以下のように自転車のセッティングからバッグの使い方までを説明した資料をいただいた。特に、輪行時にはサドルの扱いに注意して欲しいとのこと。(2018.11.12)

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA