那須は自転車の聖地と呼べるか?

那須のサイクル・ステーションには、とても感銘を受けた。ただ、それだけでは那須の自転車事情を伝えたことにならないだろう。何しろ、全国に雨後タケノコ状態の自転車の聖地のひとつだ。サイクル・ステーションは空虚な施設だが、僅か1kmほど離れた那須サイクル・ベースは奇妙なほど充実している。隣接する駐車場は朝早くから満車状態。随分と賑わっていることが伺える。

まず、室内には何十台ものレンタル自転車が並んでいる。これにはロード・バイク、クロス・バイク、マウンテン・バイクと揃っており、さらにはファット・バイクや電動アシスト自転車まである。実は小径車を持参していたが、坂道が多い那須高原でのライドには辛過ぎた。そこで、自分の自転車はお払い箱にして、電動アシスト自転車を借りることにした次第。

このレンタル・ショップは、ご当地プロ・チームである那須ブラーゼンの経営。運営もブラーゼンのスタッフで、この日は監督にレンタル手続きを、選手にルート案内を、そしてメカニックにサドル調整をしてもらう豪華対応。言われなければプロ・チームの人たちだと分からないほど、どの人も気さくで丁寧な対応。年齢的にも若い人ばかりで、地域密着型と謳うように親近感に溢れている。

サイクル・ベースには、自転車によるガイド・ツアー、ライド・エクスペリエンスのデスクもある。こちらは別経営で、専任スタッフが和やかに説明してれる。那須の自然と食を巡る定番のコースから、希望に合わせたプライベート・ツアーまで幅広く対応。この日はすでに予約で一杯とのこで、参加は叶わず。個人的には冬にファット・バイクで雪原を走るツアーが気になった。

さて、レンタルしたクロス・バイク、YAMAHAのYPJ-Cに乗って走り出す。高原の上り坂に差し掛かっても電動アシストで楽々快適。ところが、途中道を間違えて、一軒茶屋に向かう県道21号線に入ってしまう。数キロに渡って停滞する車の横をアップヒル。ここは道幅が狭く逃げ場がない。不用意に車外に出る人もいて冷や汗の連続。かくしてYPJのバッテリーは十数kmで果てる体たらく。

あちこちで大渋滞を引き起こす休日の那須は御免こうむる。自転車レーンはなく隘路ばかりで、脳天気な自動車と戦わなければならない。平均上り斜度6%を超える那須岳ヒルクライムはとんでもないが、他の道もアップダウンが激しい。ジモティには抜け道や側道を使えば楽ですよと言われるが、そのようなマップはなく伝承文化らしい。そんなこんなで、これが自転車の聖地か?と疑問が沸騰する。

しかし、自転車に力を入れているのは確かで、サイクル・ステーションやサイクル・ベースの他、自転車ラックや工具を備えた那須サイクル・ピットは100ヵ所以上にのぼる。那須を中心とした観光情報誌のNSN自転車旅や、そのアプリNSNナビチャリ(iOS版はない)も提供され、緊急時にはサイクル・レスキューが控えている。さすが素晴らしい。後は、車を追放して自転車専用道路にするだけだ。

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