2つの大河を走るネオ背割堤

木曽川と長良川の間を細長く続く堤防である背割堤は、お気に入りのサイクリング・コースのひとつ。ほとんど自動車が通らず、舗装された路面状態は良好。そして、両側に大河が流れる絶景を眺めながら、延々と続く直線道路を疾走することができる。最近気づいたことに、この背割堤の西にも同じような地形があった。それは揖斐川と牧田川の間にあり、これを勝手にネオ背割堤と名付けた。

北端からネオ背割堤に入ると、間もなく砂利道が500mほど続く。その後は土をならした簡易舗装の道となる。所々に水溜りもできていて、路面状態は良くない。ロード・バイクなど細いタイヤは要注意だが、舗装道路とは違ったプチ・ワイルドな走行が楽しい。川が近くまで迫る眺めの良さも素晴しい。距離は5km弱と本家背割堤の半分以下なので、のんびりと気軽に走れば良いだろう。

かつて周辺は鬱蒼と樹木が生い茂り、立ち入るのもはばかられる雰囲気だった。ところが最近になって、治水事業の一環として樹木が伐採され、草の茂みが刈られた。急に視界が開け、荒々しい地肌が現れる。ところどころに大きな樹が残され、穏やかな水面に映える。まるで西洋絵画のようなピクチャレスクな風景に心を奪われる。荒涼とした中洲を貫くように、一筋の道が続いていることが伺える。

やがて春になって息吹いて草原となり、黄色い菜の花が彩りを添える。立入禁止ではないが、路面が悪いこともあって、あえて進入する人はいない。恐る恐る自転車を進めたところ、素晴しい半自然半人工のサイクリング・ロードを発見した次第。ちなみに、背割堤(せわりてい)とは、2つの河川が合流しないように設けられる堤防のこと。背割堤の道も、治水工事や河川調査のための通路らしい。