国交省が自転車活用推進アンケートを実施中

国土交通省の自転車活用推進本部事務局が「自転車の活用の推進に関するアンケート」をインターネットで実施している。実施期間が11月15日(水)までと短いので、趣旨に賛同できるなら、アンケートに取り組んで欲しい。一般の人が国に対して意見表明できる機会は多くないので、見逃せない貴重な機会だと思う。所要時間は数分だろうか。趣旨説明はココ、アンケートはココから。

さて、行政が人々の声を聞く機会を持つことは基本的に大賛成だ。その上で、今後の改善を願って、今回のアンケートの不備を記しておきたい。まず、記者発表が11月2日で、実施期間が11月2日から11月15日までと、事前周知がなされず期間も短い。専門サイトcyclistですら、ニュース掲載が11月7日と数日後だ。一般の人へのアプローチはどうだろう?広く意見を求めるよう工夫して欲しい。

次に、実際のアンケートを挙げて、それぞれの問題点を見ていこう。

一部の機種の人は答えられない。アンケートの形式や機能は単純なので、機種依存を危惧する要因はないと思われる。より多くの人が参加できるように推奨環境を広くすべき。
途中で以前の回答を思い直しても、戻ることができない。ブラウザの「戻る」ボタンを禁止するなら、ページ内に「戻る」ボタンを設置すべき。
LGBTの人は答えられない。より多くの人が参加できるように選択肢を増やすべき。
10歳未満の人が対象になっていない。10歳未満でも自転車に乗るし、コンピュータやスマートフォンを操作できる。保護者が操作を代行しても良い。より多くの回答を得るために10歳未満の選択肢を設けるべき。
その他の自由記入欄が小さく、入力しにくい。適切に入力できるように、ページ幅に従って入力フォームの幅を広げるべき。
このページに関しては問題がないように思える。
その他の自由記入欄が小さく、入力しにくい。適切に入力できるように、ページ幅に従って入力フォームの幅を広げるべき。
コミュニティサイクルやシェアサイクルが何を指すのかが分からない。用語を勘違いして回答する可能性がある。正しい回答を得るために、一般的ではない用語は説明を添えるべき。
(次に続く…)
法令文をそのまま掲載しても、一般の人には理解しにくい。法令文の解説サイトなどを用意して、それを参照できるようにすべき。また、当初に「ご意見がございましたら、記入をお願いします」としているにもかかわらず、回答が必須となっているのは矛盾する。当初の説明を改めるか、必須ではない項目にすべき。そして、入力フォームの幅が小さいので、充分に意見を書きにくい。ページ幅に従って入力フォームの幅を広げるべき。
アンケートの扱いについての説明がない。アンケートの最後に希望者はメール・アドレスを入力して、今後の情報を受け取れるようにすべき。

以上のように、些細な指摘もあるが、簡単に改善可能な事柄が多い。ただ、Q3とQ4は、法令文をそのまま丸投げしていて、関連があれば具体的に書けと求めるのは乱暴だ。法令に従って自転車活用を推進するのは行政機関であって一般市民ではない。一般市民が自分の立場で答えられるように、アンケートを工夫するべきだろう。ちなみに、アンケートは何度でも回答可能だが、どう扱うのだろうか。

インターネットを利用しながら、双方向性が確保されていないのも大きな問題だ。問い合わせ先には電話番号しか記載されていない。もっとも重要なのは、アンケート結果の公表と評価、そして施策への反映だろう。これがどこにも案内されていないのは、不信感を掻き立てる。一方的なアンケートを実施しただけに終わらないように、アンケート結果が真摯に検討されるように、切に願う。

【追記】推奨環境であるiOS 10以上のSafariで、アンケート開始時の以下のように意味不明のエラーが表示され、回答できなかった。もちろん、郵便番号の入力はない(ので、盗用コードの切り貼りミスだろう)。一方、推奨環境ではないmacOSのSafariでは問題なくアンケートを完了できた(が、確認のすべがない)。フォーム幅問題もそうだが、無能なアンケート会社に税金が無駄に投入されている。

2 comments

  1. 私もあのアンケート調査には杜撰な実験デザインだとの印象を受けました。この記事で指摘されている点の他にも、Q3のテキストボックスがコピー・ペースト操作を受け付けず、テキストエディタに用意した文は手作業で書き写す必要があったり、実施期間が15日(水)までと書かれているのに23:59を待たず早々に締め切っていたり(20:55現在)と、散々な出来ですね。これらの問題点を直接伝えないと、自転車活用推進本部は今後も似たような失敗を繰り返しそうな気がします。

    1. 本当ですね、「このアンケートは終了しました」となりますね。アンケート会社がダメダメでも、発注元のお役人さんは状況をチェックしていないんでしょうね。

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