サイクルハック東京2017、都市でのサイクリング問題を見た

サイクルハック 2017、私(ヤスノリ)は東京会場へ参加した。ハッカソンそのものには参加経験はあったが、今回は今まででのものとは違う。自転車がテーマだ。私も熱心な自転車乗りとして、普段見えていない問題を見つけるいい機会だと思い、参加することを決めた。会場となった STUDIO C は笹塚駅近くで、甲州街道が通る交通の激しい場所だ。自転車レーンに停まるクルマを横に、会場へと急ぐ。

初対面の日本人同士でのハッカソンかと想像していたが、そうではなかった。参加しているメンバーの話を聞いているうちに Cycling Embassy of Japan のメンバーが中心となっていることがわかった。ほとんどの会話が英語で行われたのも、この会場となった場所が訪日観光客へ向けたサイクルツーリズムを提案する場所でもあったからだ。グローバルなイベントの意味がここで初めてわかった。

1日目では、ハッカソンを目的と求められる成果物のフォーマットのアナウンスがあった。その後、ブレインストーミングで「サイクリングの妨げになっているもの」をバリアカードというものに書いた。通常のブレインストーミングと違って、視覚的にそれぞれの問題を見ることが出来て、いいシステムだと思った。

出されたバリアカードを見てみると、ほぼ自転車本体に対することではなく、環境のことがメインであった。今の自転車のライトが弱すぎる…とかではなく、安全に走行するための環境が整っていないことを訴えるものが中心であったのだ。放置自転車が目障りだとか、自動車を運転している人たちが自転車軽視しすぎだというもあった。ドライバーでもある私の心はこの日、グラグラと揺れたのであった。

2日目はバリアカードを元に、どのような解決策があるかを出し合う。昨日とは違って、今日はどの問題に興味があるかによって、チームが結成するところもあれば、個人で活動する人もあり、プロトタイピングが始まる段階に来た。私は「Eyes on you」というプロジェクトに加わった。自転車レーンは私達が安全に走れる場所。そこに駐車する自動車にステッカーを貼り付けるという思い切った活動だ。

最終日の3日目、各チームごとに昨日のプロトタイピングの続きがはじまる。午後4時からはじまる発表は、ライブストリーミングで公開することになっており、時間厳守だった。キャンペーン動画を紹介するチームもあれば、漫画を紹介するところも。もちろんプロダクトを紹介したところもあり、さまざまな形式でプレゼンテーションが行われた。

私が今回、自転車ハッカソンに参加しようと思ったきっかけは、自転車に関わる諸問題を得てこようと思ったからである。筆者である私が、関東から大垣に転居してから自転車に乗れなくなったのも、自転車に優しくない環境であるところが多い。地域によってはこのハッカソンに上がってくる問題はまた変わってくるだろうが、道路を共有する自動車との関係は場所問わず上がってくる問題だろう。

しかし、このハッカソンの私の立ち位置が一人のドライバーでもあったことを考えた時、このイベント自体が、ドライバーに敵意があることを感じられずにはいられなかった。サイクリスト目線の意見に偏りがちなのは、自転車愛好家が集まっているからこそ、仕方がないのかもしれない。もし、このハッカソンにドライバーがもっと参加した時、白熱した議論が広がるのではと密かに考えていた。

なお、このイベント内で発表されていないアイデアもあり、CycleHack のホームページでアカウントを作成すれば、個人でもアイデアを公開できる。私が加わった「Eyes on you」も、ステッカーのサイズが決まり次第アップロードする予定である。

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