オランダの国立自転車博物館Velorama

オランダ東部の地方都市ナイメーヘンにあるオランダ国立自転車博物館Veloramaは、こじんまりとした建物ながら、3フロアに渡って夥しい数の自転車が展示されている。近代的な自転車はほとんどなく、今日の我々には馴染みのない骨董品的な自転車がほとんどだ。これらは進化の袋小路に咲いた徒花のように見える。古めかしい建物と相まって、ヨーロッパ自転車黒歴史館とでも呼びたくなる怪しい魅力が漂う。

今日の自転車の元祖を呼ばれる定番のドライジーネから、次第に時を辿るように展示されている。同じような系統の自転車はまとめられているが、ただ、必ずしも時系列という訳ではなさそうだ。簡単な英文のリーフレットがあるだけで、カタログの類はなく、展示のキャプションはオランダ語表記なので、展示のポリシーまでは汲み取れなかった。iPhoneのカメラを使ったリアルタイム翻訳も力が及ばなかった。

こうなると物質・物体としてのアンティーク自転車の数々を楽しむしかない。そう考えると、実に豪奢な鑑賞体験で、今日では有り得ない金属や皮革の優雅さを堪能することができる。実際にも、現代に例えればスポーツ・カー、ことによってはスーパー・カー並みの価値と価格であったのだろう。それは決してママチャリやケーヨンではない。貴族や富豪の趣味であり、この時代の自転車は乗馬具や馬車に似ている。

ところで、いくつかの自転車が展示されておらず、スタンドだけが残っていた。これらは、翌日から開催された自転車関連の国際会議Velo-City 2017に貸し出されており、メイン会場のホールの天井から吊るされていた。それらは、ドライジーネ、ボーン・シェーカー、オーディナリー、セーフティ、という自転車の歴史の要となる4台であった。もっともVeloramaには400台は自転車がありそうだった。

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