コペンハーゲンの自転車シェアリング・システムBycykel

デンマークの首都コペンハーゲンのBycykelは、世界でもっとも進んだ自転車シェアリング・システムだろう。何しろ、これはタブレット付きの電動アシスト自転車なのだ。タッチ・スクリーンのタブレットはGPSとモバイル・インターネットに接続され、バッテリーはモーターを駆動し、前後のLEDライトを常時光らせる。ほぼ「全部入り」の機能は、前後に荷台を備える白く愛らしい車体に統合されている。


Bycykelに備わるタブレットでは、ほぼすべての操作が可能で、ユーザ・アカウントを作ることすらできる。筆者はiPhoneでアカウント作成したものの、最早スマートフォンはオールド・スクールであることに気がつく。自転車の予約や検索はWEBサイトでの操作になるが、それも住み慣れた住民なら不要だろう。2〜3ブロックごとに自転車ステーションがあり、常に何台かは待機しているからだ。

さて、Bycykelを利用するには、タブレットでユーザIDとパスワードを入力する。これでロック解除されて、すぐに走り出せる。かなり車体は重たいが、電動アシストのおかげで軽やか。漕ぎ出しの急発進など走行の不安定さは皆無。アシスト・モードは4種類あって低速度域での出力に違いがある。いずれのモードでも、25km/hでアシストが切れる。日本の電動アシストより好印象。

タブレットはiPad miniほどのサイズで、操作性も良好。常に野外で陽光や雨風にさらされることを考えると、耐久性も良いのだろう。表示されるマップが大きいので、ナビゲーションが分かり易い。ただ、目的地はiPhoneから転送したい。CarPlayならぬBikePlayが欲しいところ。走行中でも操作ができるのは、自己責任のヨーロッパらしい。速度や距離などの表示が目立たないのも、街乗り想定だからだろう。

目的地近くになれば、HomeメニューからReturn bicycleを選ぶ。近隣のステーションが距離や空き台数とともにリスト表示されるので、どれかを選べばナビゲートされる。最後に自転車をステーションに返却する。このドッキング・ステーションは充電機構を備えながら、小型で簡素で、左右交互に繋留する省スペース・デザイン。自転車の取り出しと繋ぎ留めもスムースで力を要しない。

Bycykelは最初の3分間は無料。これは操作間違いへの配慮だろう。次に1時間ごとに30DKK(約500円)が課金される。料金はアカウト作成時に登録したクレジット・カードで引き落とし。割高に思えるが、コペンハーゲンは物価(税金)が高いので、妥当かもしれない。ちなみに、市街地から空港まで約10km。自転車で1時間以内30DKKで行けるが、地下鉄なら36DKK、タクシーなら300DKKかかる。

このようにBycykelは自転車シェア界のトップ・ライダーだ。アムステルダムのWhite Bicycle Planが自転車シェアリングのプロトタイプとすれば、パリのVélib’は第1世代、ポートランドのBIKETOWNは第2世代、そしてコペンハーゲンのBycykelは第3世代だ。この流れはチューリング・マシン、コンピュータ、モバイル、IoT(ユビキタス)の変遷に似ている。しかも2014年から運用だから、驚くしかない。

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA