自転車関連資料の収集

クリティカル・サイクリングでは自転車関連の書籍や映像・音楽といった資料を収集している。もちろん単に集めるだけでなく、講読・鑑賞して知識と思索に寄与することを狙っている。クリティカル(批評)とサイクリング(自転車走行)という2つの要素のうち、前者の基盤となる資料であり、侏儒が立つ「巨人の肩」に他ならない。実際、多くの先人が自転車を研究し、作品化している。

これらの資料はIAMAS(情報科学芸術大学大学院)付属図書館に依頼して、蔵書として購入し、管理していただいている。また、メンバーの個人所蔵としても資料が集まりつつある。これらを一堂に会して展示したのが、Critical Cycling展の資料コーナーだ。2016年夏には多くを机に平置きできたが、2017年冬には長い棚に背差し陳列しなければならないほど充実しつつある。

一方、短期間であれば、各所から借り受けて集合的に展示できるが、普段はそうはいかない。図書館だけでも、日本十進分類法で536(運輸工学. 車輌. 運搬機械)と786(戸外レクリエーション)に大きく分かれ、他にも290(地理. 地誌. 紀行)や913(日本文学の小説. 物語)などもある。つまり、図書館のあちこちに自転車の本が分散しているわけだ。しかも、自転車で検索しても、夏目漱石はヒットしない。

そこで、対処策のひとつとして、 ブクログの「IAMASの本棚」で、クリティカル・サイクリングのタグ付けを行った。自転車タグではないのは「チャーチル・ファクター」のような書籍を拾えないからだ。つまり、自転車の本ではなく、クリティカル・サイクリングが選んだ本というタグになる。仮想本棚に並んだ書籍やDVDは眺めるだけでも楽しい。本を並び替えて整理できれば、さらに有益だろう。

ただ、ブクログも万能ではない。本棚は個人ごとに作るので、複数の所有者から成る本棚は作れない。たとえ作れたとしても、一般の図書館利用者は混乱しそうだ。また、ブクログは日本のAmazonが扱っている書籍やDVDしか扱えない。取り扱いのない海外書籍や自費出版書籍、それにパンフレットなどは扱えず、「Amazonにあらずんば本にあらず」ということになってしまう。

このように、資料の集約方法には、未だ理想的な方法が見つかっていない。また、見落としていて収集していない重要な資料もありそうだ。資料収集の良い手法をご存知であれば、教示していただけると有り難い。一方で、流し読みだけで精読していない資料も多くある。これが一番の問題で、まずは巨人の肩によじ登らなくてはならない。そして、周囲や遠方を見渡し、何を発見するかが問われている。

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