My First Ride〜軟弱ロード・バイク事始め

FESTIVE500の記事に「もともと体力がない」と書いたところ、7日間で500kmも走るのだから、体力がないわけないと知人から突っ込まれた。しかし、嘘偽りなく「もともと体力がない」。自転車に乗っているうちに体力がついたのが実情だ。そこで、筆者がどれほど体力がなかったのかを、具体的に示しておこう。個人的な自転車歴に過ぎないが、体力的な懸念で自転車を敬遠する人の参考になれば幸いだ。

まず、高校生までは通学や買い物などでママチャリ的な自転車に乗っていた。時には片道10km程度の自転車通学をしたこともあった。ただし、自転車に興味があったわけではなく、通学の足でしかない。大学生以降に自動車を運転するようになると、自転車には乗らなくなる。その後にマウンテン・バイクを購入したことがあったが、多少乗った程度で埃が積るようになる。

転機は2011年の東日本大震災と福島の原発事故だった。日本中の原子力発電所が停止し、夏場の電力需要を賄えないので、計画的な停電が行われるとされていた。そこで、都会を離れたサマー・オフィスが推奨されていたこともあり、その夏は北海道で過ごすことにした。そして、顧問をしていたベンチャー企業がサイクリング用のアプリを開発をしていたので、ロード・バイクを購入して北海道に持ち込んだ次第。

さて、その初ライドでの走行距離は、なんと9km。スキー場で有名なニセコで、坂が多い地形。最初は下り坂で50km/h近くのスピードを出してご機嫌だったが、その後の上り坂で息絶える。それなりに勾配があるが、激坂ではない。しばらく休んだものの、これ以上は無理と思って引き返す。帰り道では最初の坂を上るので、自転車を降りて押して歩かざるを得なかった。敗北感に打ちひしがれていた。

このように初めてのライドでは僅かしか乗れなかった。これなら「もともと体力がない」と言う資格があるだろう。初めて自転車に乗って9km以上走れた人は、筆者より体力があるわけで、自信を持って良い。ちなみに、翌日のライドでは20km近く走れたが、これまた息も絶え絶え。心拍数を見ても、かなり危ない状態だったことが分かる。その後次第に慣れてくるが、走行距離は長くて30km程度だった。

そして、その夏の最後には、思い切って羊蹄山一周に挑戦することにした。富士山に似た美しい単独峰で、その山裾の道路を一周すると50kmほどになる。山を眺めても、地図を眺めても、とても自分に走破できるとは思えない。ライドを始めた途端に、元の場所に戻って来れそうもないと悲愴な思いにかられる。結果的には走破することができたが、達成の喜びより何より、死なずに済んだ安堵感で一杯だった。

今となっては微笑ましくも思えるが、当時としては必死だったことを覚えている。往復で僅か9kmの距離が、随分と長く感じられた。一方、筆者の知人でロード・バイクを始めた人が、最初から数十kmも走っている。坂の多い地形と平坦な地形の差を考えたとしても、筆者が「もともと体力がない」ことは間違いない。とは言え、そんな人間でも自転車を楽しめる。ゆっくりと、少しだけ走っても構わないのだから。

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